渡航「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」2巻
- 作者: 渡航,ぽんかん?
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 文庫
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早くも21世紀を代表する作家になったと言っても過言ではない渡航先生の自伝的著作。渾身の続刊が登場・・・・うん、たぶん間違ってない。前作の衝撃から約四ヶ月ほど。次が出たので買ってきました。
前回では、ぼっち主人公・比企谷八幡が、雪ノ下雪乃率いる奉仕部に入れさせられて、と。周りにあわせてしまうキョロ充・由比ヶ浜由衣に、自分をつらぬけばいいじゃないとなって、ついでに由衣も奉仕部に入って、という展開。
今回も比企谷八幡のぼっちネタは続きます。読んでいて心が抉られるなぁ。「比企ヶ谷菌がうつる〜」(156頁)とかちょっとそういうネタやめてマジでハートがスランプ状態。ハートスランプリアルぼっちだから。カラオケで円広志とか歌うから俺。私の場合もう突き抜けたけどさー、本当にあの時は辛かった。コミュ障害のくせに自覚がないというかコミュ障害を認めたくないまま、コミュニケーション求めていたんだから。コミュニケーションがうまくいかない→それで焦る、空回りする→ますますハブられる→孤立へという流れ。目の前で貴方のこと嫌いと言われたことあるし、大学の時も俺が挨拶したらこれからは別にいちいち挨拶しなくていいから、と言われたことも。挨拶って人間関係の入り口じゃないの・・・なんで俺スタートラインにも立たせてもらえないの、と。
小学生が帰るときにやるじゃないですか。白いものを踏んで帰るとか、そういうの。大学生のときは、無言ゲームとして大学にいる間は声を出さないというゲーム(※ただし語学とゼミの時間は除く)をやって何度も達成していました。俺無言ゲームのエキスパートすぎるだろ。馬鹿かと思うけど、あとちょっとで達成!となったときには意欲が湧いてくるから。達成したら満足感あるから。同時に虚無感もあるけどな。ついでに今の会社でも無言ゲーム挑戦したいっす。
大学のときは、一回質問に行ってなんかちょっとこいつ面倒くさそうだなと扱われてからは、授業終わった後に教授に質問に行くなんてそんなコミュニケーション高い行為なんてできるわけもなく。図書館でひたすら勉強と疑問の解消ですよ。おかげで成績良かったからな。んで、成績良かったから修士課程まで行ったけど指導教授との会話なんて出来ませんでした。今日ゼミの飲み会ないよーと言っておいて後で集まるのホントやめて。ないよーといいながらちょっと目線や声のトーンが違うの気づいているから。ゼミ終わった後で気の合う人同士でメールしあって飲み会しているの知っていたから。で俺呼ばれたことないのもわかっているし。教授も参加するような公式の飲み会は当然呼ばれるけど、帰りの方向がたまたま一緒になっただけで面倒くさそうな態度取るのもやめて。きついから。急に携帯いじり出されるのもきついから。
ぼっちの話し相手になるのは後輩だけ。でも後輩は愛想笑いで付き合ってくれるだけ。俺が後輩に話しかけていたら同級生が「よく頑張ったねー」と後で言っていたの知っているから。気づいているから。結局、話し相手に同級生は無理だから(なお、以上の話はフィクションです)。
でも。いるんですよ。真性リア充が。神聖リア充が。こっちの漢字でも間違いない。人をただの試験の時のノート役としか思わない似非リア充ではなく、場の雰囲気も変えてしまう、本当に友達思いのやつが。中心となる奴が。川崎大志みたいな奴。俺みたいな人間に特殊スタンド・『ザ・ゾーン』発動されると困るから。息できないから。女の子の目線がそもそも違うから。あ、ありのままに起こったことを話すぜ状態になって、いつのまにかそいつが中心となった決定が、嫌味なく進んでいるから。
まぁ、このブログで何度か書いたけど、最近は多少プレイ頻度は落ちたとはいえ、読書の他にはRPGツクールが趣味なんですよね、私。んでこのへんからもわかるように好きなんですよ、材木座義輝みたいな中二センスが。でも、誰も解ってくれない。自分の趣味の話で盛り上がらない。では、ということでネットの世界に・・・・という流れ。結局、孤立孤立と言いながらも、誰かかまってくれる人を求めていたんですよ。
比企谷八幡はわかっている。他人とのつながりが。両親が忙しくて相手をしてくれない妹の寂しさが。そして、寂しさを埋めたのがたまたまだとはいえ、自分だったことが。
・・・・でも、感謝しているのはほんと
こう言った時*1の妹の気持ちは理解している。結局、人とのつながりが、ほんのちょっとでも必要だってことが。でもつながりって怖くて。妹は近い。けど、全くの他人だと怖い。壊れると思ってしまう。いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つことはやめるんだ*2。相手に踏み込むときの、怖さ。怖さを理解しているから空回りする。だから失敗する。そしてまた怖くなる。この悪循環。だから、最初から踏み込もうとする気なんて持たないんだ。
でも、ぼっちを受け入れ、ほっちを突き抜けた私だから言いたい。奉仕部という空間の、二人の住人。キャラクター的にも良い娘ばかり。誰にも理解されなくても自分を貫き通すことが強さだとわかっている雪ノ下雪乃。誰かを理解することについて諦めることも逃げもしない由比ヶ浜由衣。この二人だからこそ。はーちーまーん、最後は勇気見せろよ!と叫びたい。大人のふりして諦めちゃってホントの勇気見せないままだと女の子からロマンティックもらえないんだよと叫びたい*3。
さて、何の因果かラブコメ展開に巻き込まれつつも、フラグをべしべしと積極的にへし折る主人公。由比ヶ浜由衣かわいそうすぎるだろうが八幡らしい。いろんな意味で間違っているラブコメ(?)ですが、続きが気になるのは確か。評価?当然の星5つですよ!!
追伸:誤植発見しました。33頁「そろろ比企ペディア」→「そろそろ」の間違いだと思いますので、関係者の方このブログをみることがあったら直しておいてください。
七海ユウリ「ヒミツのメイド王国」
さて、七海さんの久しぶりの新作。前作から美少女文庫では一年ですか―。
えっちい方面にはかーずさんがやられているのでそちらをどうぞ。
だいたいの流れは、国王にさせられるために連れ去られる→三メイドから信頼の証を奪う→でも国外脱出したい→国王になって安泰、というもの。展開的には、まあ美少女文庫的によくありがち・・・・のようでないかな。ヒロインは、ミリア、レイ、ルイーゼの三人。メイドです。メイドとくれば、ねえ?お好きな人がいるので、そちらの感想をお待ちしましょうか
セックスしてしまった後に、ミリアが「あっきー」とフレンドリーな感じで呼びかけたり、国外脱出のためにいろいろ画策してくれるのが好感度高し。個人的にはルイーゼはいらない子扱いだなー。
良くも悪くも美少女文庫だなぁ〜、ちょっと平凡な作品から抜け出せていないなーという印象。星3つというあたりが適切かな?七海さんの文章は、一文あたりの密度が濃く、丁寧な文体。割りと行間に隙間がないタイプ。なので、こういう特徴を活かした作品のほうがいいとおもうんだ
桜庭一樹「青年のための読書クラブ」
かーずさん、また取り上げていただきありがとうございますー。
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/06/26
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さて。今回の読書感想は、桜庭一樹さんの作品。文庫化になったので買いました。えっちぃ本の感想も近いうちに。
またまた桜庭一樹用語(例えば「かんばせ」など)がちらほらと出ているのを見つけて、ふふっと軽く笑ったり。独特の言い回し(動詞の繰り返し)を見てニヤリとしたり。
とまあ、導入はこのへんにして。
お話の中身は、お嬢様学校にある謎の組織・読書クラブに記された、学園のもう一つの歴史。全部で5編からなる、連作短編です。
読書クラブとくれば、たとえば文学少女シリーズの文芸部みたいなイメージかも知れない。たしかに、部室の雑多な雰囲気は似ていると思う。しかし、構成員は、お嬢様学校に相応しくない者たちが流れ着いた、漂流先の終着点とでもいうべきもの。大阪から来た、浪花弁の転校生然り。時代の潮流に乗ったと勘違いした、扇子族然り。全ては、創始者が、出身のパリを模して作られた古い建物にて起きる。あの、けだるい雰囲気。世の中からずれた場所。なにか、入ることを抑止してしまうような、見えない壁。その中に集う、読書好きな人々。紅茶を飲みながら、読む。語りながら、読む。そして語る。それだけの場所。
後ろの解説って余計なことが書かれていることが多いけど、今回は面白い。文化系クラブの滑稽さ・道化を示しつつも、読書クラブが学園内でトリックスターとして機能している、と。
そういう場所がそういう人を作るのか、そういう人だからそういう場所に行くのか。結局はわからないけど。でも、読書クラブは、形を変えて生きていることを示してくれた。ちょっとこの空間憧れるなー。古い部屋でひたすら読書。先輩方が積み重ね、そして、自分たちも積み重ねる。私、入りたいんですけど。
サイトーマサト「彼女はつっこまれるのが好き!」二巻
彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き!〈2〉 (電撃文庫)
- 作者: サイトーマサト,魚
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/11/10
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前回、思わず表紙買いしたところ意外と好評だったので、続きを買ってきました。どこにつっこまれるのか、という話はさておき。
今回読んで思ったのは、良人のツッコミが冴えていないと面白くないよなー、と。前半のあたりまではあんまりだったけど、ラジオの収録シーン以降は、ツッコミが効いて、読んでてにやりとわらってしまう。登場人物のほとんどがボケだから、良人のツッコミが際立つ。
音無まどかさんと良人の関係もラブでコメってますなー。まどかさんと良人は、気も合う関係。まどか→良人といきそうだけど、良人にはしぐれさん、まどかには流星さんが・・・・・と。
良人は前々からファンだったけど、それだけではない音無まどかを知る。音無さんが「声優として好きなの?」と問うシーンや流星くんとラジオをやることはちょっと・・・と言うシーンは背後にある隠れた気持ちを想像してしまいます。今後はどう展開するんでしょうね。まどかと良人はカップルになる寸前なので、そのギリギリ感を楽しみたいです
文体も読みやすく、テンポよくサクサク進みますし、読後感もさわやか。まー、総合で星三つというあたりっすね
夏海公司「なれる!SE 失敗しない?提案活動」
- 作者: 夏海公司,Ixy
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/01/06
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なんだかんだで気になっているシリーズ「なれる!SE」です。今までの感想は↓。
- http://d.hatena.ne.jp/yusuke22/20110417/1303058671
- http://d.hatena.ne.jp/yusuke22/20110601/1306945670
これって、読んでいて思ったのはバトル漫画、熱血少年漫画の構造ですね。踏襲しつつも、SE職の様子を描いている。今回、工兵と立華さんに降りかかった課題は、大手企業への営業。そして、ライバルは、立華さんが昔いた企業であり、工兵たちのことを心のそこから見下している人たち。所詮中小企業の分際で、という対応。
ああ分かった分かった。悪かった、すいませんでした。これでいいだろう?
君の会社、提案から降りてくれないかな
正直ね、君たちのみたいな中小の提案が一番厄介なんだ
こう言われた工兵と立華さん。工兵は、なんだかんだと負けず嫌いなんですよね。一巻でも、二巻でも、負けずぎらいが講じて転機になっているんだし。しかし。そこそこの提案はできたとしても、大手の絶望的な差は埋められず。工兵の、ひとり相撲といいつつも、橋本との会話から問題解決の機転。
前巻でライバルだった梢さんと立華さんが手を組むシーン!!!!ここは少年漫画並みの熱血度合いですよっ!!あれ、ピッコロと悟空が手を組んでラディッツと戦ったくらいの盛り上がり!!!なにこのバックに流れる音楽が影山ヒロノブ状態。
と言いつつも、立華さんがツナにこだわる様子や、べったべたなツンデレ台詞をいったりしていて、作品の雰囲気は深刻ではなく、むしろなごむ感じ。というよりも今までのシリーズの中で一番面白かった巻だった。
・・・まあ、これは私がSEではないから言えることで、実際に中小SE職の人からすると、この巻は読むのが辛かった、という反応もあるくらい。近く、また続き買います!
筆祭競介「ツンとお嬢様と花嫁修業」
- 作者: 筆祭競介,あいのせりん
- 出版社/メーカー: キルタイムコミュニケーション
- 発売日: 2011/07/13
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さて。二次ドリ文庫最新刊です。お話の中身は、幼馴染のお嬢様が、嫁に行ってしまうんだけど、夏休み最後の思い出作りに、一般人の主人公・椎名始のもとに押しかけ女房をするつもりが・・・・本当にえっちい展開になってしまって、というもの。
ヒロインの蘭咲 真凛花(らんざき まりか)は、お嬢様、幼馴染、ツンツン、巨乳とベッタベタな属性てんこ盛りですが*1、主人公のことが好きで好きで、慣れないながらも一生懸命奉仕してあげる、という行為が可愛いんですよね―
真凛花は、お嬢様なところもあるが、性格はすごくいい。悪かったら反省もするし、不器用ながらもおにぎりをつくってあげたり、と好感が持てる。
ほかにも、例えば、始が右手をけがしたとき*2。
「・・・・・・あ〜〜ん」
この、ちょっとためらっている間!!イラスト補正もあって余計に可愛く見えてしまいます。
そして、右手の怪我はエロラノベ界では夜の奉仕へのフラグ。しかし、えっちい展開も徐々に進みます。最初の日はおっかなびっくりで手で奉仕。次の日は口で。その次の日は胸で。真凛花がだんだんエロくなっていく様子と、始とだんだん心を交わせあう様子が重なります。
二人の恋愛ゲージが暴発直前のときに、真凛花が、許嫁のもとへ行くと決まると始は真凛花に告白。
・・・・な、なんで今更そんなこと言うのよぉ・・・・こんな時に、そんな顔で言われたら・・・・私、本気にしちゃうじゃない
やっとお互いの気持ちを確かめ合う*3ところで、初セックス。前回の「おた☆こい」のところでも書いたことと重なりますが、恋愛過程をしっかり描いた後でセックスに持ち込むという展開を私は評価したいですね―。こういうの、好きです。初セックスの時点は、既に全部ページ数の約5分の3あたりですよ、これ。いかに前半のいちゃいちゃ恋愛ゲージ溜め部分が濃密だったかわかると思います。
二人の中が認められてからは、もう孕ませる意欲満々。猫コスで立ちバックでもう十分かとおもいきや、花嫁衣裳だなんて!最後の、真凛花が一回イッた後でもう一回イかせようとする数頁はエロいの何の。主人公が真凛花を気持よくさせようと意気込むし、真凛花はそれに乱れ、また自分から求める。これ、今シーズントップクラスのエロさは間違いないですね。
筆祭さん・・・安心のクォリティで文句なしの星5つ!!人妻戦隊マダムファイブという怪作を書いていたとは思えないくらい、いちゃ甘作家認定です。
新規開拓してみた〜ぷちぱら文庫第二弾 箕崎准「おた☆こい」
おた☆こい ~理想の彼女とイチャラブえっち~ (ぷちぱら文庫 21)
- 作者: 箕崎准,三色網戸。
- 出版社/メーカー: パラダイム
- 発売日: 2011/06/30
- メディア: 文庫
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ああーーー、私、こういうの好き。
ちょっと気弱で自身がない女の子・七瀬茉璃(ななせ まつり)がコミケ会場でばったり出会ったクラスメイトと仲良くなり、オタク同士でいちゃいちゃする、というもの。とにかく二人が甘々なんですよね。設定が高校生なので高校らしいところもあり。
茉璃はとにかく自信がない。中学校の時に、自分の好きなモノが自由に語れないことを自覚してから、他人とコミュニケーションすることに潜在的な怖さをいだいている。茉璃を否定しない存在。茉璃と趣味を共有する存在。茉璃と好きなモノを語り会える存在。やっと出会えた仲間/友達。
こうなると、友情が愛情に転化するのもあっという間。んで、茉璃ちゃんの、恋愛感情が読んでいてとにかく可愛いのっ!!
デートらしきものをする前日*1。
キスしてくれるかな・・・・。もしかしたら、そのままエッチだって・・・
雨にぬれてラブホに入った後の展開*2。
わたし、勇気出したんだよ。だから祐くんも勇気、出して・・・・
こんな感じで処女捨てに行きます。もう可愛いっ。いちゃいちゃ展開好きにはたまらんとです。きっちり恋愛過程でゲージ溜め→セックスに持ち込むという過程。この展開系の作品は好きですね。ぶっちゃけ、開始50頁でいきなりセックスしちゃう美少女文庫*3より好みかもしんない。
で、茉璃ちゃんは、奉仕。メイドとなってお世話。メイドじゃなくてもお世話してるなw
あえて苦言をいうと、割りとえっちいシーンがあっさりおわったところかなー。作者はラノベ出身らしく、その意味では内面描写はこれでもか、これでもかという甘め攻勢だったんですが、いざえちぃ展開ではほんの数頁でおわってしまうことも。
全体としては、呼んで良かったエロ小説に含まれますね。いちゃ甘好きな人向け。
会社の紹介はこちら。ゲームの体験版までついています。
http://www.parabook.co.jp/hpdata/bookdata/ppbunko/top_pp/Framesetpp1.html
ぷちぱら文庫は初めて読んだが、まあまあというあたり。これからも面白そうな作品見つけたら買います。