かじいたかし「僕の妹は漢字が読める」

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

普段見たりしているサイトやラノベ関連のスレなどで話題になっていたので、気になって購入。前評判は知っいたので、完全にまっさらな視点で読まなかったんですが。まぁ、なんというか・・・・アイディアだけで勝負して、意外とおもしろかった一冊ですね。

まず、タイトルが凄い。僕の妹は漢字が読める。小学校低学年のヒロイン、ではない。23世紀、未来の世界。この世界では、いわゆる、萌えやケータイ小説的なものが、文学の主流を占めていたため、漢字を読める人はごくわずか。その中のひとりが、妹であるイモセ・クロハだった、というもの。

登場人物も頭がおかしい。特に男性陣。オオダイラガイは、権威ある正統派文学。最新作は、「きらりん! おぱんちゅ おそらいろ」というもの。その中身は・・・・

でたひと→きよし
どうがサイトみてたら ねぼすけ←だめっこ
いきなりちこくは やばっ
こうえんぬけたら
おなのことごっつん☆
きよし「うあっ」
おなのこ「みゃあっ」
わわわ でんぐりがえっておぱんちゅ きらり☆
きらっ きらっ
きらり☆
おぱんちゅ→おそらいろ
きよしっこ てれっこ
おなのこ「いたいたいた」
きよし「おててどうぞ」
おなのこ びっくり
おなのこ「お、おにいちゃん」
きよし「えっ」
きよしっこはひとりっこよ? いもうとはなしにょ
おなのこ「いたた」
おなのこおしりごつんした さすりさすり
きよし「ぺろぺろすりゅ?」
なめなめしたらなおるはず

うわわわわ!!!48頁の文章から引用しようとしたけど、途中で頭狂ってきたーーーー!!!!!

うーん、23世紀は漢字が廃れ、これが正統派文学になる世界。ドラえもんもびっくりだわ。この作者・オオダイラガイも、このまんまでとにかく変態。変態紳士ではなく、変態真摯。例えば、ギンの妹・ミルちゃんがガイの体をツンとつついたら。

あ、あ、あ!きた!これはきた!・・・・・もれちゃう、もれちゃうおおおぉ!

うーん、こんな人が周りにいたら、人間として距離を置きたくなりますねー。

もう一人の男性であり、我らが主人公イモセ・ギンもかなり残念な性格。ギンは、文意の表の意味しか理解出来ない。これが未来だから・・・ではなく、たぶんギンの残念さなんだろうなー。当然漢字は読めません。まあ、それが幸いして鈍感さを発揮。ラブコメ展開の主人公なんだけど。なんだけど。To LOVEるのリトくんとは違うんだよなー。リトくんはいい人なんだけど、ギンは、すごーく残念。

おしっこを我慢することは哲学です。そういう本を読んだことがあります。

こんな台詞を普通に吐きます。ギンに対して、つっこむ・・・というよりも冷たくあしらうクロハやミルという構図。

でもなんだかんだとラブでコメってるんですよねー。ギンは自分が小さい頃から好きだった小説「おにいちゃんのあかちゃんうみたい」のヒロイン・ホミュラのモデルとなった弥勒院柚*1には惚れるし。柚もギンのことが好き。クロハは、義理の妹で、小さい頃からギンを見ている。まあ、柚とクロハの二人の関係は、恋のライバルであり、友人というところでしょうか。ギンの鈍感さはここで機能しています。

ストーリーは超展開。最後は未来を書きなおした奴の後を追うぞ!!というあたりで続く、という流れ。ストーリーというよりも頭のおかしいキャラを眺めて楽しむモノ。読者としては結構楽しかったよーー

*1:21世紀人。制服かせ彩南高校に似ているようなー・・・・ToLOVEるのモモちゃんとナナを足して2で割ったような外見だと思った。