犬村小六「とある飛空士への夜想曲」上
- 作者: 犬村小六,森沢晴行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 文庫
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さて。『追憶』のスピンオフ?というべきでしょうか。ヴィクトリア海戦を舞台にして、とある飛空士への追憶は、神聖レヴァーム帝国側の視点でした。今回は、もうひとつの側・帝政天ツ上側の物語。
お話の中身は犬村さんよろしく直球の男女恋愛もの+架空戦記物ですが、今回は、やはり帝政天ツ上側のエース・千々石武夫が抱く、神聖レヴァーム帝国側のエース・狩野シャルル(海猫)へのライバル心だろうなー。リヴアーム皇太子妃・ファナをレヴァーム帝国本土に送る作戦遂行を妨害することに失敗した千々石。
近代戦にて、唯一残されたロマンが、空にはある。一方の物語では敵としてしか描かれていないのに、もう一つでは敵側の視点の物語だなんて、盛り上がらないわけがない。ビーグル 対 海猫。空に愛された男たちのバトルが下巻におあずけ食らったのが待ち遠しような、まんまとやられたような。
でもこの物語は実はもう答えは出ている。その後のファナは追憶・恋歌で語られたから。幸せになることは確定している、と思いたいので、美空と千々石がどう動くのかは注目ポイントかなー。