今後の方針について

えーとですね。このブログの存在がリアル社会で接点のある人にバレたっぽいのは以前お伝えしたことです。で、続けるといいましたが、やっぱ撤回。

なんかね、エントリ書くときの精神状態が違うのよ。実生活上に関わる他の人のことを気にしながら書かないとダメのような気がして。バレても二次元に理解がある人ならいいし、現にバレてるんだけと。今回バレた人はそうではないし、ちょっと周りにも広められたくないわけ。

んで、結局どうしようかなーと考えた結果、このブログでの更新は停止して、しばらく休憩期間を挟んで別な形で、別な名前で再開しようと思います。以前、mixiでもレビュしていたんですが、そのときも別な名前だったんですよね。中は同じ人だし、今までと同じような本を読んで感想書くわけですから、見つけたら、あーこいつかもとすぐに分かると思います。

また、今までちょくちょく見に来てくれた常連の方には再開したときはお知らせしますので、そのときはそのときで。んで、このブログも撤退モードに入ります。では、さよならではなく、また再開したときに!!

犬村小六「とある飛空士への夜想曲」上

とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)

とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)

さて。『追憶』のスピンオフ?というべきでしょうか。ヴィクトリア海戦を舞台にして、とある飛空士への追憶は、神聖レヴァーム帝国側の視点でした。今回は、もうひとつの側・帝政天ツ上側の物語。

お話の中身は犬村さんよろしく直球の男女恋愛もの+架空戦記物ですが、今回は、やはり帝政天ツ上側のエース・千々石武夫が抱く、神聖レヴァーム帝国側のエース・狩野シャルル(海猫)へのライバル心だろうなー。リヴアーム皇太子妃・ファナをレヴァーム帝国本土に送る作戦遂行を妨害することに失敗した千々石。

近代戦にて、唯一残されたロマンが、空にはある。一方の物語では敵としてしか描かれていないのに、もう一つでは敵側の視点の物語だなんて、盛り上がらないわけがない。ビーグル 対 海猫。空に愛された男たちのバトルが下巻におあずけ食らったのが待ち遠しような、まんまとやられたような。

でもこの物語は実はもう答えは出ている。その後のファナは追憶・恋歌で語られたから。幸せになることは確定している、と思いたいので、美空と千々石がどう動くのかは注目ポイントかなー。

滝川廉治「テルミー きみがやろうとしていることは」

テルミー きみがやろうとしている事は (スーパーダッシュ文庫)

テルミー きみがやろうとしている事は (スーパーダッシュ文庫)

本屋でふと手にとった一冊。2010年に出たもので、最近続刊が出たみたいですね。

読みきった感想としては・・・・地味。だけど高く評価される作品になってほしい、というもの。隠れた名作というべきじゃないでしょうか。内容紹介も兼ねて、ちょっと作者のインタビューを引用しますね。引用元はスーパーダッシュ文庫のウェブサイトです→http://dash.shueisha.co.jp/interview/1007.html

この物語は、二十六人の高校生の死と青春を描こうとしたものです。 物語の冒頭、修学旅行のバスが転落事故を起こし、二十四人の学生が死亡します。その最期の瞬間、二十四人の生徒が抱いた強い心残りが、一人の女子生徒・鬼塚輝美さんの体に入り込んでしまいます。
 鬼塚さんは、心に住み着いた二十四人の想いとそれぞれの才能を受け継ぎ、偶然バスに乗れず助かった男子生徒・灰吹清隆くんと一緒に、「二十四人の最期の夢」を叶えていきます。
 注目してほしい点、といっては生意気ですが、特に気をつけて書いたのは、死亡した一人一人が持っていた「一つの世界」をきちんと伝わるように描く事です。音声、匂い、痛み、喜び。確かな「手応え」のある本を目指しました。上手く伝われば幸いです。

死んだ人が持っていた最後の願いを叶えていく。でも、それは死んだ人そのものに成り代わることではない。成り代わることは、傲慢で残酷。生きている鬼塚輝美は、死んだ湯坂絵里の代わりには、ならない。絶対に無理。だから、湯坂の母親に料理を振る舞うことは、仮初の癒し。

私にできることはひとつだけです・・・・・この世界に湯坂絵里さんがいた。彼女は貴方の娘として生まれ、貴方のことを心から愛し、最後の一瞬まで貴方への愛情と感謝を抱き続けていた。・・・・それが彼女の真実です。

これを伝えるだけ。湯坂絵里はもう死んだ。戻ってこない。残った人は死んだ人を、思うだけ。

ああー抉るなー。誰かが死ぬと「死んだあの人も〇〇のように思っているはずだよ」ということって、よくありますよね?これは死んだ人の最後の願いを届けることができる状態だと思えば、一番近いかも。そうなったときに、自分ならどうこうどうするか。


死んだ人を思って後追い自殺をする?


バス事故で死んだ檜山蘭を追いかけて、後追い自殺をした遠山円華。

死んだ人にはもう何もしてあげられない。キミが本気なら、相手がまだ生きているうちに、やれることがたくさんあるうちに、自分の気持ちをきちんと伝えたほうが良い

残されたもう一人。凡人の佳奈。

円華が、蘭に叫ぶ。

どうして蘭ちゃんが死ななきゃいけなかったの?どうしてこんなひどいことがおきるの?どうして?

人が死ぬことは周りの人にとっても喪失。だから言いたくなる。どうして?、と。

その回答は、人間的成長だったり、試練だったり、運命だったり。しかしどれも、人間が精神的癒しを実現するために創りだした回答。答えは何もない。ならば、「どうして」ではなく、「どうする」かに変えなければならない。

あー、ここのところは読んでいてぐさりときましたねー。この本のテーマは人の死。「どうする」を考えると、残されたひとは不幸にはならない。その意識転換はものすごく難しいよなー。悲しみに打ちひしがれているとき。だけど、その意識は幸せになるんだ。これは最初の予告どおり。

丁寧な情景描写が読者を誘う。230頁と薄い方なのにじっくりと腰を落ち着けて読む。だからこそ味わいがでてくる類のもの。

いやあ・・・・・本当にこれ良い本だった。表向きは静かに、でも心のなかでは滾りながら、野辺送りをしているような本でしょうか。ふと手にしたもので大正解。書店めぐりって楽しいですねっ

バレたっぽい。

どうやらこのブログの存在がリアル社会で接点がある人にバレたようで。


で、なにがしたいの?


私のことを会話のネタにして嘲笑したい?気持ち悪いって陰口言いたい?
自分が稼いだお金で楽しんでいるもので。貴方に迷惑をかけず、趣味でやっているモノで。どうして悪意に満ちた、内緒の覗き見をするように、人のモノを哂うの?私は貴方の趣味がなんだか知らないけど、口出しはしていないでしょう?

いつもコメントくれる方たちや私が巡回する方たちは別として、私は普通の方と接するときには、一緒に楽しもうという共感は求めていない。理解して欲しいとも願っていない。私の趣味を、理解しない/理解できない/するつもりがないならば、放っておいて欲しい。なにも話さないで欲しい。理解もしていないのに、中途半端に会話のネタにされることについては私は強烈な嫌悪感を抱くから。趣味や内面を覗き見て軽蔑したいなら勝手にすればいいけど、私だって同じようにしますけどなにか?貴方は、迷惑もかけていない個人的な趣味のことをネタにして嘲り笑う程度の人間なんだなって。

ま、バレたからと言って、今後は変更するつもりもありません。従来通りブログの方針は、嫌いな言葉は自重、好きな言葉は変態だけど紳士たれ(ごめん今考えた。つーか某フミツキさんのパクリ)。今後ともよろしくですっ!!

わかつきひかる「お嫁な生徒会長」

はーい。みんなーいいかーちょっと聞いてくれー。今週は仕事が一年の中で二番目くらいに忙しい時期に突入しますー。なので簡易感想モードに入りますかにそこんとこよろしくおねがいします〜。

今回はわかつきひかるさん。7月刊の美少女文庫最後です。

ヒロイン・桜庭梨果はお嫁な生徒会長。ということでタイトルそのまんま。主人公との勘違いから恋が始まる、というもの。最初は勘違い→擬似恋愛→徐々に本当の恋愛へという流れ。この流れは甘々で結構好きな展開。

ただ幼なじみという設定がなー。そもそも薄く、生かされていないし、唐突感があって、作者の中ではプロット段階で迷走したのかと事情を勘ぐってしまう。

ターンを変えて内面描写というわかつき独特の手法は久しぶりに見たかも。これ好きなんだけど、エッチぃシーンではもうちょっと密度の濃い文体書いて欲しかったなー。

イラストはきみづか葵さん。私、エロゲはしないので存じあげなくて申し訳ないんですが、フミツキマサヒトさん情報によれば有名な人らしいですね?私もカラーについては梨果の可愛い雰囲気出てるなーという評価は同じです。

かじいたかし「僕の妹は漢字が読める」

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

普段見たりしているサイトやラノベ関連のスレなどで話題になっていたので、気になって購入。前評判は知っいたので、完全にまっさらな視点で読まなかったんですが。まぁ、なんというか・・・・アイディアだけで勝負して、意外とおもしろかった一冊ですね。

まず、タイトルが凄い。僕の妹は漢字が読める。小学校低学年のヒロイン、ではない。23世紀、未来の世界。この世界では、いわゆる、萌えやケータイ小説的なものが、文学の主流を占めていたため、漢字を読める人はごくわずか。その中のひとりが、妹であるイモセ・クロハだった、というもの。

登場人物も頭がおかしい。特に男性陣。オオダイラガイは、権威ある正統派文学。最新作は、「きらりん! おぱんちゅ おそらいろ」というもの。その中身は・・・・

でたひと→きよし
どうがサイトみてたら ねぼすけ←だめっこ
いきなりちこくは やばっ
こうえんぬけたら
おなのことごっつん☆
きよし「うあっ」
おなのこ「みゃあっ」
わわわ でんぐりがえっておぱんちゅ きらり☆
きらっ きらっ
きらり☆
おぱんちゅ→おそらいろ
きよしっこ てれっこ
おなのこ「いたいたいた」
きよし「おててどうぞ」
おなのこ びっくり
おなのこ「お、おにいちゃん」
きよし「えっ」
きよしっこはひとりっこよ? いもうとはなしにょ
おなのこ「いたた」
おなのこおしりごつんした さすりさすり
きよし「ぺろぺろすりゅ?」
なめなめしたらなおるはず

うわわわわ!!!48頁の文章から引用しようとしたけど、途中で頭狂ってきたーーーー!!!!!

うーん、23世紀は漢字が廃れ、これが正統派文学になる世界。ドラえもんもびっくりだわ。この作者・オオダイラガイも、このまんまでとにかく変態。変態紳士ではなく、変態真摯。例えば、ギンの妹・ミルちゃんがガイの体をツンとつついたら。

あ、あ、あ!きた!これはきた!・・・・・もれちゃう、もれちゃうおおおぉ!

うーん、こんな人が周りにいたら、人間として距離を置きたくなりますねー。

もう一人の男性であり、我らが主人公イモセ・ギンもかなり残念な性格。ギンは、文意の表の意味しか理解出来ない。これが未来だから・・・ではなく、たぶんギンの残念さなんだろうなー。当然漢字は読めません。まあ、それが幸いして鈍感さを発揮。ラブコメ展開の主人公なんだけど。なんだけど。To LOVEるのリトくんとは違うんだよなー。リトくんはいい人なんだけど、ギンは、すごーく残念。

おしっこを我慢することは哲学です。そういう本を読んだことがあります。

こんな台詞を普通に吐きます。ギンに対して、つっこむ・・・というよりも冷たくあしらうクロハやミルという構図。

でもなんだかんだとラブでコメってるんですよねー。ギンは自分が小さい頃から好きだった小説「おにいちゃんのあかちゃんうみたい」のヒロイン・ホミュラのモデルとなった弥勒院柚*1には惚れるし。柚もギンのことが好き。クロハは、義理の妹で、小さい頃からギンを見ている。まあ、柚とクロハの二人の関係は、恋のライバルであり、友人というところでしょうか。ギンの鈍感さはここで機能しています。

ストーリーは超展開。最後は未来を書きなおした奴の後を追うぞ!!というあたりで続く、という流れ。ストーリーというよりも頭のおかしいキャラを眺めて楽しむモノ。読者としては結構楽しかったよーー

*1:21世紀人。制服かせ彩南高校に似ているようなー・・・・ToLOVEるのモモちゃんとナナを足して2で割ったような外見だと思った。

巽飛呂彦「オタク系彼女! お嬢様と委員長」

さーて、7月刊の美少女文庫いきますよー。ちょっと感想書くの遅れてしまいました。

ぱっと読んだ時の印象→「おおっっっと。なかなか濃い展開ですねー」というもの。今回の作品では、ヒロインは二人。隠れオタクのアイドル・みらん。同人作家の委員長・清香。んで、この二人がえっちいことにとにかく積極的なの!!みらんはエロゲ好きだし、清香にいたっては人気エロ同人作家。ふたりとも実物はわからない→じゃあえっちぃことしようか、という展開。主人公・森崎も後半になればわりと調教モードに入ります。三人で、という展開になってからは、えっちい点では中途半端。ストーリーの面では良。最後の方は、特に脈略も薄く、エロ投げっぱなしジャーマン。

後半に失速した感はあるものの、前半から中盤までは好きな展開ですねー。イチおしシーンは悩むが、「外に出すなんてイヤ、許さないんだからぁ!」と叫ぶ116頁を推したい。となりのイラストとの効果もあって破壊力抜群でした。