清水マリコ「Hurtless/Hurtfull」

Hurtless/hurtful (MF文庫 J し 2-7)

Hurtless/hurtful (MF文庫 J し 2-7)

MF文庫から。緑の表紙は、ゼロの使い魔だけじゃないんです。
こう、心の奥底に沈めていて、気付かないふりをずっとし続けたまま、そのこと自体を忘れていた辛い出来事の存在を思い起こさせる、読んでいて痛い小説です。

人を傷つける記憶の恐怖は、誰よりも自分が知っているから。

246頁より。自分が相手を傷つけた記憶は思い起こしても、相手が自分を傷つけた記憶は思い起こさせないように。人は傷つけあいながら生きていく現実を最後に突きつけた。
ああー、辛い過去の自分とシンクロしちゃう。自分も過去にとある人を傷つけてしまったし、それを思い起こさせないようにしまっていた。ということで、星4つ。

あ、あとカラーイラストと本文があまりにも不一致。どうしたんですかー、編集部さん?