直江ヒロト「夏海紗音と不思議な世界1」


ファンタジア大賞ということで買ってみました。んんん・・・・・中身は、まぁ、それなり。大賞なの?というレベル。率直な感想をいうと、「夏海紗音と不思議な世界」というよりも、「涼宮ハルヒの航海」と名前を変えた方がいいんじゃね?、と。

とりあえず、主人公=語り手は、ごくごく普通の一般人の男子中学生。友達少なめ、孤独。キョンくん役。もう一人のヒロインは、夏海紗音(なつみ・しゃのん)。表紙の女の子です。で、この紗音が特殊能力の持ち主。何でも引きつける、呼び寄せてくる「夏海引力」。語り手の「僕」と、紗音の世界は、似ているけど違う並行世界。要は異世界から紗音が「僕」を召喚しました、ということ。その紗音と僕が、虚島にある伝説の秘宝を求めて航海する話です。

・・・・すっげー、既視感がある展開ばかり。まずは紗音と僕の関係が、ハルヒキョンくん。特殊能力を持ち、やや強引な性格のヒロインと、ちょっと斜に構えたところがある男子学生。しかも並行世界から召喚という組み合わせは「消失」。その紗音が船長となって航海するわけですけど、これはワンピース。航海中には他の船とも戦闘。そのときは、ふしぎの海のナディアというか、元となった宇宙戦艦ヤマト

最後は意表を突く展開で、うおっとなったけど、、、、元の世界に戻った「僕」と紗音の関係が、完全に断絶or二度と会えないというわけでもなさそう。別離の様子と、並行世界でも紗音の存在を嗅ぎとれるのに直接は会えないというもどかしさををもっと丁寧に書いてくれれば、評価はまだ上がったんだけどなぁ〜。紗音1ということは二巻も出るんでしょ?だったら僕と紗音の関係が断絶するわけではないんだよね〜。この辺の緊張感がラストなのに欠けていて、いまいち盛り上がらない。うーん、総合評価で星3つですかねー