谷川流「涼宮ハルヒの陰謀」/読み返し

うわぁ・・・・またかーずさんのところで取り上げられているよー。今回は別に感想じゃなくて、ただみかづき紅月さんのインタビューを見つけて思わず感想とシンクロしたことを記憶にとどめておくためにリンクを貼っただけなのに、取り上げられちゃって、なんだか他にきちんとした内容をブログに書いている方に申し訳ない気分です。律儀なかーずさんに多謝。

さてさて、以前に続いて、ハルヒシリーズの読み返しをしていました。今回は陰謀。
前回については↓を参照して下さい。
http://d.hatena.ne.jp/yusuke22/20100513/1273765745

  • 今回の読み返しをする中で、一番の期待していたシーンは、ハルヒがチョコを渡すシーン。このニヤニヤをもう一回味わいたいなぁと期待しながら読んでいました。改めて思ったことだけど、ひょっとしたらハルヒは自分の想いを鶴屋さんあたりにはバレているんじゃないか?「ハルにゃん、キョンくんのことどうおもっているにょろよ??」「べ、べつにキョンなんてどうでもいいわよっ!!私はイベント事は欠かさないようにしているだけなんだからっ!!」みたいな会話があったと予測。ハルヒキョンは、「憂鬱」の大人朝比奈さんからもそれとなく伝えていたし、今回でも古泉も理解しているっぽいよなぁ。
  • で、それ以外に思わず燃えたシーンは、360頁の、朝比奈みくるさん(8日後の未来から来た方。みちるさん。)に長門有希が話しかけるところ。状況は、誘拐された朝比奈さんが目覚めて、なんとなく自分への指示を出す上司が誰か勘付くあたり。

「あなたも、いずれ知る時がくる」
「それは自分自身で知ること」

これ、長門が、未来の自分への同期を切って、自律領域を自らの判断で増大させたこと(100-102頁)を踏まえると、地味だけど燃えるシーン。キョンくんが、SOS団に居場所・足場を感じていることは、キョンくんの独白(地の文)から理解できる。古泉も、キョンくんとの会話シーンが多いから推測できる。でも、超絶無口っ子兼元メガネ娘の長門は、あんまりしゃべらないから、推測するしかない。想像で補うしかない。
長門のこの一言は、たぶんキョンくんなら数頁にも渡って口述することだろうな。もちろん、長門は、バグ(涼宮ハルヒの消失)を起こした自分への反省も込めているんだろうけど、キョンくん視点からすれば、それ以上のもの。未来を知っていることって、つまらない。わからないから、試行錯誤して、行動を起こす。未来を知っていることって、悲観的な運命論者よりももっと悲観的になるかもしれない。長門は気付いている。悩むこと。どうすればいいのか考える事。それが自分の行く先を作る。

「同期機能を失うことで自律機動をより自由化する権利を得た。わたしは現時点における私の意志のみによって行動する。未来に束縛されることはない。」
「未来における自分の責任は現在の自分が負うべきだと判断した」
「あなたもそう。それが」
「あなたの未来」

長門がなんでもできるスーパーマンだった頃を考えると、この台詞は印象深い。未来への同期を自ら切る。未来はわからない。だからん悩む。これ、キョンくんを含む普通の人間の人生なんだけどさ、長門にとってはふつうじゃないんだよね。朝比奈さんにも同じこと。自分の将来について悩むこと、考えること。わからないんだから、未来は。他人の力じゃなくて、自分自身の力で到達する未来。未来を知っていると、確かに役立つかもしれないけど、でもその生活は面白いとは言えないかもしれない。将来を考えて、悩むことは、愚民であることの特権だと思います。

・・・え?お前は最近は仕事が忙しいからあんまり感想書けないって以前の記事で書いているのに、なんでこんなに感想を書いているかって?それは現実逃避に決まっているじゃないですかー