出張中に読んだもの。

さてさて。前のエントリでも書きましたが、ちょいとお仕事で東京に行ってきました。会社は違うけど同業者?とのお付き合いも少々。酒が強いんだ、これが。おっさん方って本当に酒好きだよなぁ。こっちは一番の下っ端なのでひぃひぃ頭を下げながらでしたが。12日の昼間は合間を縫って飯田橋フランス書院の三笠ビルを観察してきました。三笠ビル観察記は後日書くとして、今日は出張中に読んだもの。

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

MF文庫の新人のデビュー作です。面白かったよ!萌え成分は十分に補完できたし、何より主人公の変態さがいい!!

「言葉を持った人間は、たとえ言葉に真実以外の何かが混ざっているとしても、そうすることでしか前に進めないのです」
「砕ける前に声を出せ、というやつです」

これ、顔から表情が消えたヒロイン(=笑わない猫)・筒隠月子(つつかくしつきこ)の言葉。月子は言葉で伝えるしかできない。表情からは何も読み取ってくれない。声の調子も上げ下げできない。だから悩む。冷徹な印象を持たれてしまうので、関係を構築できない。でも、言葉しかない。それを踏まえての言葉だからこそ、ぐさりときた。

空色パンデミック1 (ファミ通文庫)

空色パンデミック1 (ファミ通文庫)

こっちもファミ通文庫の新人ですが、今年の2月に出た作品です。とりあえず、この本の感想の前に関連する著書「中二病でGO!」の感想リンクをはりつけておきます。→http://d.hatena.ne.jp/yusuke22/20091128/1259423379

―――――世界を守るか。君を守るか。

中二病の世界。妄想ファンタジーと現実が混同してしまう世界。そんな空想が現実に病気として存在したら、という設定のお話。ヒロインの結衣さんは、空想病の患者。空想病とは、空想世界が現実に見えてしまう突発性の病気。邪気眼を他人に向けて打ってしまっている状態です。劇場型では他人も巻き込まれてしまうけど、自己完結型では、自分しか空想世界に浸りません。

最後の方は、結衣さんが効果範囲が限定された涼宮ハルヒだった、というオチ。結論はだいたい予想できたのですが、メタ的な邪気眼という視点がアイディアとして面白い一冊でした。