長岡マキ子「中の下！ ランク４．下の下に落ちぶれたオレ」

中の下！ 　 ランク４．下の下に落ちぶれたオレ 　 (富士見ファンタジア文庫)

なんだかんだで気になっているシリーズ・中の下！の４巻です。前回は、ロミロミが、ヴィーナス暫定候補となって、それでも成道は、ヴィーナスだから絽美が好きなのか、それとも絽美のことが純粋に好きなのか、という選択が迫られたところで、終了。今回は、修学旅行がメイン回です。

この巻は、ヒロイン全員の好感度爆上げの回でしたね。絽美だけじゃなくて、妹尾雪菜、莉子サマまでも、成道のことを意識。
まず、絽美のターンでは、「もう二度と、雪菜ちゃんや莉子ちゃんと、楽しそうに話さないで」（61頁）と嫉妬するシーンや、押入れの中に二人で閉じこめられた状態で、キスしようよ、とささやくシーン(122頁)でしょうか。

莉子サマは、自分をかばってくれた成道に軽くほっぺにチュッとしてしまうし、ピンチの時にも機転が利く、堂々たる王者の風格。その裏での本気の努力も。酔っ払って甘えたときは可愛いです。妹尾雪菜ちゃんにいたっては、絽美と成道をくっつけようと、わざと自分を黒子に徹する。自分は成道のことが好きなのに、成道と絽美がカップルとして成立するように、動いてしまう。

ああああああ、、、、、生徒会の一存なんか最近読んだあとだと、この展開まどろっこしいよ！！！碧陽学園に転校して、皆幸せになればいいじゃん！！ハーレムバンザイ！！！成道は杉崎を見習えよ！！！

・・・・・・・・・・・・となるんだけど、現実はそうもいかないんだよね。
なんかなぁ、成道って予想外に優しいことをしてしまうから、憎めないんだよなあ。石田もそう。

なんか知らねぇけどみんなに気持ち悪がられてるから、俺くらい好きんなってやんなきゃかわいそうだろうがよ

142頁より。たしかに、成道も、石田もキモい。超絶勘違い野郎だし、行動が裏目にでる。しかも、変。変だけど、悪くない変。ネジ曲がっているなりに、世の中に迎合していないなりに、筋が通っている。私は、男としても、彼ら(もちろん黒川も)に若干の友情を感じています。こういう人が、側にいて欲しい、一緒に酒飲みながら話してみたい、と思っております。

彼らの将来がどうなるのか、運命の選択は6月発売ですかー。今から楽しみにしていますね！！！

※長岡さん、地図を見ると、札幌→旭川→函館→小樽という修学旅行の順序は、実際的に見て、おかしいと思います。