ヤマグチノボル「ゼロの使い魔〈古深淵の聖地〉20巻」

作者のあとがきによれば、ゼロ魔もついにラスト二巻かぁ・・・・長かったなぁ。私は、アニメ二期のあたりから熱中し、全巻買い揃えた人間ですね。釘宮理恵さんの可愛い声にやられて、ついつい原作へ、という流れ。むしろ今では原作の大ファンです!!

さて、今回の前半は、エルフの地へさらわれたサイトとティファニアが、脱出しようとするもの。後半ではルイズたちがサイトたちを助けようと、エルフの地へ向かいます。ここ最近のダラダラした展開と比べると、緊張感があった一冊でしたっ!!

サイトは、使い魔として召喚されたが、ルイズを助け、そしてアルビオンで単騎7万突撃を行ったあたりから、ハルケギニアを自分の世界として捉えるようになった。自分で作った、足場。それに対して、ティファニアの、自信のなさ。テファには居場所がない。少なくとも主観的には。サイトたちは、ティファニアにとって、唯一の仲間。そしてその中心はサイト。テファの居場所は、サイト。

他方、今回では、サイトは、武器としてのガンダールヴを久々に自覚。原子力爆弾が、ついに聖地から出現。ただの高校生だった平賀才人には重荷、とも言いうる武器。

わたしなんか、なんにもできないから、こんな気楽に言えるんです。おっきな力を持ってたら、きっとそれだけでつぶれちゃいます。力ってそういうものんなんじゃないですか?だからわたし、平民でよかったです

199ページのシエスタの言。これが、サイトにも重なる。かつてサイトは、力を持ってしまった以上は、やらないとなという使命感があった。守りたい、という男の義務感かもしれない。でも、それは自分たちの範疇を超えた能力では、ない。原爆は、ひとつの都市を破壊させるほどの能力を持つ爆弾は、ついこの間まで普通の高校生だったサイトには重すぎるかもしれない。うわーーーー、このへんの決断は、次巻以降ですね。

ルイズちゃん、きゃわいいっす。サイトへの愛情を告白しているあたりなんてにやにやもの。

気づくとじっと見つめてて、ちゅーしてくんなきゃ寝ない、ぐらいのことも言っている

にやにやがとまらないですね。でも状態は戦場なんだなー。アルビオンで別れた時も、実は両思いでしたー、というときだったけど。今回は、おもいっきり公言して夫婦状態だからなぁ。アルビオンはまだ恋愛初期状態。

周囲とのギャップが。戦場という空間の異常性の中で思い出す、サイトから得た、日常的な愛。

単純で、わがままで、愛に貪欲すぎて、どうしようもない人ですよね。でもって弱いから、自信と自重を行ったり来たり。でも、そんな人だから、あの人は聖女になると思いますよ。ほんとの“聖女"に

212ページの、シエスタによるルイズ評価。これ、ルイズちゃんの側にいて、ルイズのライバルであり、友であったからこそ、正確なのかもしれない。ルイズは、単純。わがまま。サイトを振り回してばかり。愛が欲しい。二人で死線を乗り越えてきたサイトへの盲愛。好きという気持ち一直線。使い魔というものを超えた、鎖。でも、弱い。自信もない。サイトと姫様とのキスを観てしまったときに諤々と崩れる程度。それでも、自分への自信を取り戻し、愛を信じる。サイトへの愛を貫く。人を愛することを知っているルイズ。同じ虚無でも、教皇・ヴィットーリオとは、全然。恋愛経験が違う。ジュリオ・・・・はまぁ、愛し方を知ったから別かもしれないけど。

ゼロの使い魔は、ゼロのルイズという自信のない少女が、異世界から来た少年と出会うストーリー。この運命に導かれて、ふとやってきた少年に恋してしまう。今は、恋から愛へすでに遂げた関係。だからこその強さ。恋じゃなくて、愛に昇華したからこそ、アルビオンの時とは違う強さ。サイトも同じく。

私、ティファニアの使い魔は、本命:シエスタ、大穴:マリコルヌと予想していました。だって、テファ胸キャラだから。バストレボリューションだから。脱いだらすごいシエスタと、変態マリコルヌが候補に上がるのは必然でしょう・・・が、サイトかぁーーーーーーー胸のルーンの意味は、なんなんだろう。

では残り2冊、楽しみにしています。評価は当然星5つで!!