川端康成「伊豆の踊り子」、みかづき成分補充

http://d.hatena.ne.jp/USA3/20090506
文学フリマで「フランス書院美少女文庫総解説2009」が欲しいが無理だ・・・
とらのあなとかで販売しないかな。

伊豆の踊子・温泉宿 他四篇 (岩波文庫)

伊豆の踊子・温泉宿 他四篇 (岩波文庫)

背伸びをしたくなる年頃ってありますよね?虚栄心を満たすためにちょっと小難しい本を読みたくなる時期。小難しい本や文学書を読んでいたら自分が他人よりも偉くなったような気分に浸れる時代。
もっとも、そんなこと、気にしていたら本を読んでいても楽しめないんだけどね。

自分は中二病罹患期間が非常に長く、やっと最近になって脱出できつつある状態に辿り着いた。そして、よーやく、本当に最近になって、いわゆる"古典"や"文学"も、素直に楽しめるようになってきた。

そして、この流れで、むかーし読んだ「伊豆の踊り子」を再読してみる。多分、これを読んだのって、中学生、高校生の時、だったかなぁ・・・

あのときは、よくわからないまま、義務感で読み切った。けど、今回もあんまり楽しめなかったなぁ。そして、その理由ははっきりしている。自分がその時代背景を十分に理解していないからだ。まず、娘の関係がうまく把握できなかったし、「活動」が結局何をしているのかわからなかった。爺さんと碁石を打っていたこともよく意味がわからん・・・
踊り子の登場シーンが少なく、語り手である「私」の一人称なのに、「私」の気持ちが出てこない。う・・・名作、って言われているが、結局よくわからん。星2つ。
これは、俺様の、俺様による、俺様の独断と偏見に基づく評価。自分は自分の価値基準で評価する以上、世の中の人間がどんなに高評価を与えているかどうかは全く関係がない。

お口直しとして、みかづき成分補充。
現在、みかづき紅月の代表作・サムライガールの5巻を読んでいる途中。まだ第1幕しか呼んでいないけど、今のところ、最高傑作じゃないか?支持されるにはやっぱり理由があるんだなぁ、と。みかづき紅月センセが描く女の子は可愛い。だけど、可愛いだけじゃない・・・やっぱり、惚れるわ。
強い。身も、心も。だけど、脆い。だけど、その脆さがあるからこその強さ。心が震えないと、力が出ないという設定によって、刹那の殿への気持ち、刹那の強い意志が読んでいる側にも伝わってくる。刹那と一緒に悩み、考えてしまう。あと、「愛しさと切なさと」ときたら"心強さ"も入れてほしいところだが、こんな話をすると世代がバレるw
以前の日記では、みかづき紅月が描く男性キャラは、女性が想像する男同士の会話で、ややテンプレ的な感じ、と書いたけど、それはヒロインが支持できるからこそ、女性作家であるがゆえの短所と長所と言えるわけで。だからこそ、責めるつもりは全くなく、むしろもっとやれ!と思う。
ヒロインが支持できない、男性キャラがテンプレ的という、アホみたいな小説はあるのか?と思うと、巷に溢れるスイーツ御用達のケータイ小説(笑)には沢山ある。そして、誰とは言わないが、美少女文庫の中にも何冊もある。ジュブナイルポルノは、ライトノベル以上に玉石混淆だからなぁ・・・でも、今では何冊も出してレーベルを背負っている人たちでも最初の頃の小説を読んでいると、読みにくくて、良かったのが絵だけというのもあるし、、、ジュブナイルポルノ読者は当たりも外れも楽しむ気分で買うしかないんだよね。