犬村小六「とある飛空士への恋歌」

とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶」と同一世界観で進行するもう一つの物語。最近発売された2巻と同時に1巻も買ってきた。「追憶」を読んで、紅の豚+ラピュタっぽいなーと思っていたが、今回も、最後の二人で自転車を乗るところはラピュタっぽい。スタジオジブリでアニメ化だな。

ああー、続きが気になる締めで終わります。主人公のカルエルの仇敵がニナ・ヴィエント=もう一人のヒロイン、クレア・クルス、という仕掛け。カルエルの王であるが故の孤独も、ニナ=クレアは共有している。「きれいに飾り立てられた追放劇」。カルエルにとっても、ニナにとっても。

読んでて思ったのは、カルエルとアリエルの義理の兄妹同士の会話が楽しいこと。カルエルが復讐心を燃やすところは、読んでいて心が痛むんだけど、話の前後でアリエルが介在するから物語が全体的にダークにならない。

あと、いまだに世界の成り立ちがよくわからない。空の果て、、、、??説明しているところを何回か読んだけど、しっくりイメージできない。うーん、どんな感じなんだろう??
「追憶」のときもそうだけど、世界観の説明シーンは、確かに必要なんだけど、読んでても面白くない。「追憶」は最初の60頁くらいまでは本当につまらなかったけど、後半の60ページでの大大大逆転があったから良かったが、今回は、続きは次回、だからなー。引きは期待を持たせる。物語はまだ進行していないので特に何にも言えないけど。