犬村小六「とある飛空士への恋歌2」、みかづき紅月「僕とヤンデレの7つの約束」


今日は投票日。比例はいつも支持しているところ。小選挙区は悩んだが、とある候補に入れてきた。
どの候補にいれるにせよ、投票しない人間には文句を言う資格はないと思っているので、選挙は休んだことはありません。テレビや新聞しか見ない人たちを情報弱者!と批判する、ニコニコと2chしか見ない人たちでも、一応文句は言う資格はあると思います。でも、やる夫で学ぶ〜シリーズを鵜呑みにする人たちは、あれが学部1、2年生のレポートレベルのものもかなり含まれていることを知った方がいいと思うよ?

さて、選挙速報を横目で見ながら、読書感想、読書感想っと。
まずは、これ。

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

クレアとカルエルの擦れ違いが・・・!革命側と、倒された政権側。ベタなんだけど、これが悶える。革命側のクレアも存在価値がなくなって、事実上追放された存在だからなー。今のカルエルの立場を追体験
今回はキャラ見せ?アリエル可愛いという意見が圧倒的だと思うけど、ソニアやチハルの色っぽさも好きです。
楽しい会話の一方で、ぐさり、ぐさりと突き刺さる、クレアの痛み。これから本格的に物語がスタートなのかな?ダラダラと続けずに、適切な長さで、適切なエンドを迎えてほしいな。登場人物には好感が持てます。星4つ。

さて、次はみかづき紅月「僕とヤンデレの七つの約束」。

僕とヤンデレの7つの約束 (スーパーダッシュ文庫)

僕とヤンデレの7つの約束 (スーパーダッシュ文庫)

仕事が雑だな。
みかづき紅月さんの本をだいたい持っている俺が言う。これは雑だ。サムライガールの時と比べて、仕事が雑になっている。
http://d.hatena.ne.jp/yusuke22/20090516/1242481981
http://d.hatena.ne.jp/yusuke22/20090509/1241881611
ときどき面白いシーンが登場するんですよ。ヴァンパイア姉妹とか、刹那が学校にやってくるときとか、ヤロー同士のいかにも男子高校生っぽい会話とか。
個別のシーンや個別の登場人物だけで見ると、そこそこ面白い。だけど、全体としてちぐはぐ。

登場人物の会話に頼りすぎ。小説媒体の特徴って、人の内面、心情を抉り出して、暴露することだと思っています。だけど、登場人物の会話、ぶっとんだ、キャラ付けされた会話は、小説媒体の特徴を生かしていない。
だから、登場人物の相違がわからない。この人がこの人に対してどう思っているのか、それが会話の時しか見えない。みんなツンデレだから、会話だけだと違いがわからない。

とある飛空士への恋歌2」では、ぐさりぐさりと突き刺さる登場人物の気持ちが伝わる。カルエルやクレアの痛み。焼けた、石のような痛み。また、今日は文学少女シリーズの挿話集を読んだが(感想は後日)、見たくない内面までも暴露する筆致。

今回のみかづき紅月さんの小説には、グサリ、グサリと伝わってくる本人の内面描写がない。内部じゃなくて、外から見てる感覚。外から眺めた絵や動きを小説で再現した感じ?以前の美少女文庫の時も、似たような感じだったが、まぁ、ジュブナイルポルノなので、読む目的が違う。だけど、今回は、一般ラノベなので、厳しいな。これは、厳しい。

自分が殺されかけても零王くんが好意を持つのも、なんで?って唐突だし、零王くんが見習いマスターを始めることも唐突。そして、アキバ系のカルチャーに好意を持つ過程も、、、ご都合主義だな。これは、本人の内面が明らかにされていないから。美少女文庫を知らない読者なら、次に買うのは止めようと思うレベルじゃないか?
前提知識としてのドラマCDを買う必要があるかも。これも低評価要因か?
星2つ。

どうでもいいけど、この本はアニメイトで買ったんですよ。新刊コーナーで平積みされてて異様に減りが早かったのはなんでだろう?やっぱり声オタの人たちがドラマCDと買ったからか?新たなビジネスモデルかもしれないけど、こういうビジネスモデルが拡大しすぎるのはなぁ・・・小説は小説として読みたいので、ドラマCDを買わないと小説を楽しめないというのは、そこそこに留めておいてほしいです。

追記
一応、みかづき紅月さんも小説家なんだから正しい意味の日本語使おうよ。「役不足」…ねぇ?