連城三紀彦「顔のない肖像画」

顔のない肖像画 (新潮文庫)

顔のない肖像画 (新潮文庫)

短編集。筆者独特の長台詞と、ストーリーの逆転→再逆転の繰り返しで、読んでいてグイグイ惹かれる。

二人で結婚するために邪魔な男を殺害することを隠ぺいするために、ほかの女性に手を出し、浮気ですらない。手を出された女は、その男にとって女としてすら見なされていない。
そんな場合もあれば、一人の時間を買う旦那。何にも解決しない夫婦。

愛憎の形態の在り方を見せつける短編集です。ところどころに使い古されたトリックはあるので、オチが読める短編もあるが、内容は面白かった。ということで、星4つ。