西村悠「幻想症候群」

幻想症候群 (一迅社文庫 に 2-1)

幻想症候群 (一迅社文庫 に 2-1)

不思議な雰囲気の小説。
人の幻想、無意識の望みの果てにあるもの。人を殺すこと。自らを殺めること。
残酷な中にある、希望。

時間を遅らせる事態を、克服。
自らを扼殺する男に直面し、幻想の中での克服を現実でも、適用。
幻想の中の夏。世界を救うために死ぬ。そして、アダムとイブになる。
そして、1000年、種を植え続けたロボット。絶望を感じ、休眠。でも、そこには実っている。アダムとイブが生きる。

絶望があるからこそ、希望がある。う・・・ん、違うな。人は、残酷な絶望の中にこそ、それを克服し、軽やかな希望を見出すんだ。


ファンタジーっぽいんだけど、決してよくありがちなファンタジーではない。もう一度言います。不思議な雰囲気の小説。星4つ。