ヤマグチノボル「ゼロの使い魔18巻」


ピンクい髪のモフモフした女の子のラブストーリーもそろそろ佳境。ジュリオと教皇の真の狙いがわかって、アンリエッタ、タバサも協力。確かに、実際の政治状況から考えると、さっきまで敵だった相手に協力するなんてありえないけど、まー、この辺はご都合主義ということで。

今回で印象に残ったところは、サイトがジュリオを殴るところ。ジュリオは、ジョゼットを自分に惚れさせて、利用している。それをわかったサイトは、ジュリオに殴りかかる。

「惚れさせて、言う事をきかせてるんじゃねえだろうな」
「てめえ・・・・、最低だな。自分に惚れている女の子を、利用するなんて・・・・。最低じゃねえか。おまえらの神様が聞いたらなんていうだろうな」

ルイズは自分に惚れている。自分自身の純潔を捧げようとしてくれている。それは、男としてのサイトにとって、非常に嬉しいこと。光が頭に突き抜けるような、直撃を食らった喜び。

その「好き」という気持ちを、利用しようとするジュリオに殴りかかるサイトは、かっこいいですよ。本当に少年漫画らしい、英雄としての主人公です。
とくめー雑記のFXMCさんが書いていますように、ヒラガサイト*1は、

ヒューマニズム精神旺盛な英雄、ヒロイックな一市民

まさに、そのもの。
ジュリオも、殴り合ったあとには、自分自身でもジョゼットのことが好きだと告白し、内心では傷んでいると言う。殴り合ったあとの和解。ゼロの使い魔という作品は、少年漫画の王道主人公だなー。ジャンプっぽいジャンプ。

ガリアとロマリアも落ち着き、ようやくエルフ戦。だけど、元素の兄弟との決着もついていないので、内乱の予感もあり。どうするの、アンリエッタ様?

もうね、今回はニヤニヤが多めです。ルイズとサイトのお互いがお互いのことを好きだと大胆に告白するんだから。で、噴水のところで、ふたりとも裸身。でも挿入はまだ。うーん、焦らすなー。でも、溜めて溜めて、お互いの過程を存分に達してからのセックス描写は読んでいてもニヤニヤしてしまうから、今回はセックスがなくても構いませんよー。

兎塚エイジさん、ルイズのイラストの感じ、少し大人っぽくなっていませんか?特に脚の長さ。初期の幼身から、背は確かに小さいし、華奢だけど、バランスの整った、女性としての肉体。

純潔を捧げようとする内面としても、イラスト的にも大人になろうとするルイズとサイトの二人。互いに手をつなぎ合えば、難題も解決しようとする勇気が湧いてくる。そして、ルイズ以外にも、タバサやイザベラ、ジュリオ、ヴィットーリオ、キュルケ、コルベール、ギーシュ。

昔はいがみ合っていた連中だって、こうやって仲良くなれる。(161頁)

やっぱり、こういう心境に至れるサイトは、少年漫画の主人公の王道ですよ。人を信じることから仲間ができる、ということを実践しているんだから。

さて、ワルドさんもフーケさんも久しぶりに登場で、多分作者は忘れていたと思う。次のエルフ編では、ティファニアが活躍するんだよ、ね?どうなるのかわかりませんが、当然のごとく、星5つですよ!

*1:もう、サイトはあっちの世界の住人としてのアイデンティティを確立していると思うので、平賀才人ではないと思います。