読み返し・ゼロの使い魔7・8巻

さて。ここ最近は、ゼロの使い魔の読み返し。7巻と8巻を読み返したので、感想をば。

ゼロの使い魔(7) (MF文庫J)

ゼロの使い魔(7) (MF文庫J)

話としては、サイトが、アルビオン戦で、単騎で7万の軍に突入して死に、ティファニアに生き返らせてもらって、ルイズとまた新たな契約をするところ。

アルビオン戦では、将軍たちは、虚無のルイズを、ただの虚無、つまり、武器、道具としてばを、理解できない。ルイズとのすれ違い。

才人が持つ疑問。ルイズにとって、自分はなんなんだろう、と。やはり、将軍がルイズを見るように、ただの使い魔、道具なのか、と。心が震えないガンダールヴは、ただの人間。

でも、それを打ち消す、ルイズの言葉。

「ばっかじゃないの。道具ってのはね、もっと便利なものを言うのよ。あんたみたいに、めんどうで言うことを聞かないヤツのことなんか道具だなんて言わないわ。あんたはあんた。帰るべき世界がある、ただの男の子。私の道具なんかじゃない」

これ、形は変えているけど、言い方はぶっきらぼうだけど、ルイズがサイトを認めた言葉だよなー。才人のことを、「あんたはあんた」「ただの男の子」と呼ぶ。このときのルイズは、才人を、人間、一人の人格を持った人として扱っている。だから、才人は、今までのルイズへの疑念が一気に氷解したんだと思う。

だから、「好き」って気持ちに嘘をつけることは、才人の責任感が許さない。小舟での告白が才人の本心からなんだから。いったんルイズに好き、俺がお前を認めてやるって言い放ってしまった。それなら、使い魔・ガンダールヴとして、というよりも、ルイズに恋する平賀才人として、たまたま手に入れてしまった強い力を使って、ルイズを守るしかない。才人は、強いんだから、能力的な強さは、言い訳にならない。

才人がルイズを守る理由。ガンダールヴだから守るんじゃなくて、惚れたから守る*1。7巻の、単騎で突撃する直前の才人は、「惚れたから守る」を直感的には理解しているんだろうなー。ジュリオとの会話を読んでいるとそう思う。でも、まだ自覚していない。だから、8巻で、ガンダールヴの印が消えたことに自信を失ってしまうんだと思う。

2回目の契約。才人にとっては、戻るべきところに戻ったってことだろうなー。東方への気持ちもあったけど、やっぱり、ルイズに戻る。戻るべきところは、生まれ育った場所ではない。おっと、この辺は、ロマリアでの話だから、まだまだ先か。

*1:8巻268頁。