7巻・シエスタとのキスシーンは美少女文庫並にエロい

読み返して改めて思ったところ。7巻のシエスタがサイトを押し倒して、キスするシーン。これ、エロい。エロ過ぎる。ほんの数ページしかないんだけど、それだけでも美少女文庫に匹敵するレベル。

読んでいる時になんでエロく感じてしまうんだろうと疑問に思っていたけど、これは、私が、シエスタというキャラクターを感じ取れるから、エロさを感じるからなのかなーっと。シエスタという存在を、イメージできること。堀江由衣さんの声で脳内再生できるという意味も込めて。

シエスタ。脱いだらすごい。着やせする、大胆なメイド。意外と胸あり。才人にべたぼれ。健気で甲斐甲斐しい。才人のためなら、多少暴走してしまう。一緒にお風呂に入るのも。そんな、ゼロの使い魔のヒロインの一人。

このシーンがある7巻まで、積み重なってきたものがある。だから、シエスタの好意及び行為を、読んでいる私としては、イメージしやすい。キスして、押し倒して、結構なボリュームの胸を押し付ける。これだけなら、エロさだけを見ると、そんなに大したこと無い。美少女文庫や、二次元ドリーム文庫にも割とある。だけど、通常1巻で終わるジュブナイルポルノと違って、シエスタの場合、今までの積み重なってきたものがある。積み重ねがあるから、読んでいる私としては、シエスタの内面までも含めて、イメージしやすい。「エロい描写」を読むんじゃなくて、シーンを読んで、エロいと思ってしまう。読んでいる私が、エロい方向へとイメージをしてしまう。だから、エロく感じてしまう。

「美人だと書くな、ああ、この人は美人だと読者に思わせるように書け」*1。この言葉がしっくり来るかな。だから、シエスタのことを、読者として、エロく思ってしまう。ただ胸を押し付けてキスするシーンに、それだけなら、たいしたことない描写なのに、それ以上のエロさを、イメージしてしまう。それまでの積み重ねがあるから。7巻までで、シエスタというキャラクターのことをイメージしやすい状態になってしまっているから。

他方、ジュブナイルポルノは基本が1巻完結だからなー。みかづき紅月さんの「サムライガール」シリーズや青橋由高の「メイドになります!」シリーズは、別として。1巻完結である以上、今回のシエスタのような、積み重ねができない。特定の人物を、イメージしやすい構造にはならない。

うーん、これ、他の分野でも似たようなものかもしれない。例えば、私は、ヒット作の「けいおん!」を見たことがないんですよ。だから、けいおん!同人誌を読んでいても、ただ可愛い女の子がセックスをしているだけにしか思わないわけ。でも、To LOVEる同人誌やTo LOVEるエロパロだと、例えば、リトくん⇔ララのセックスを読んでいて、エロさを感じてしまう(もちろん上手い人にもよるけど)。ただの可愛い女の子の痴態、だけじゃなくて、ララちゃんや春菜ちゃん、美柑などの行為や内面をイメージしやすい。文字やコマに書いてある以上に、エロさを感じ取ってしまう。エロく「読んで」しまう。これも、「積み重ね」があるから。自分、To LOVEる大好きなので、何回も単行本読み返しているから、イメージしやすい。

そもそもライトノベルとあくまでポルノレーベルから出ているジュブナイルポルノは、分野が異なるので、比較しても意味が無いし、「基本1巻完結だからキャラクターをイメージしにくい。だからジュブナイルポルノは駄目だ!」と言っているつもりは全くないので、誤解しないで下さいね!!

これは、ポルノレーベルが単巻で完結している構造になっている以上、仕方ないかも。構造的に解決しにくい問題だからこそ、読者に登場人物が可愛いと上手にイメージさせることが作家の腕の見せ所なんだろうな〜。