みかづき紅月「おしえて!マーメイド」

スマッシュ文庫、創刊ということで2冊とも買ってきましたー。ということで、感想行きますかー。

最初のあたりは、ヒロインがおしかけきてメイドでご奉仕だなんて、美少女文庫のとある人気作家の二作目だよ・・・とニヤニヤ。
あと、ノベライズを担当しているからかな?ヒロインの雰囲気がおまもりひまりと似ているなぁ。ミナギ先生(巨乳担当、ポニーテール、ちょっと世の中とずれている、小さい頃にきっかけがあって主人公と接触)、蓮奈(貧乳、幼なじみ、世話焼き)、サンゴ(刺客、ロリ)→ひまり、凛子、静久。やっぱり無意識に影響受けているのかなぁ〜。

ここはまずは、メインヒロインのミナギ先生について感想をば。

  • ・・・・っやっぱポニテっしょ!!!!

↑「結局、お前の趣味はここか」と言われたら、全力を上げて「はい!」と答えるくらい、私はポニテ好きです。二次元でも三次元でも。

  • さて、自分の趣味を全開にしたところで、ミナギ先生の魅力其の弐。人の話を丁寧に聞いてくれること。「うんうん」とだまって頷くのではなくて、理解してくれた上で、応答してくれること。あるいは、応答してくれなくても、心に留めておいてくれること。

あー、これ、みかづき紅月さんのブログを読んでいると、みかづきさん本人だよなー。みかづきさんって、メールやコメントにも丁寧に返信してくれるタイプ。アホっぽさ、という意味での面白さはないけど、誠実。
たぶん、これは姉属性の一つと思う。ミナギ先生もそう。ねーちゃんって感じで全力で甘えたくなる。以前、みかづきさんのブログで妹がいるって書いていたはず。みかづきさん自身も姉なんだよね。だから、自分だったら、こう接するみたいな感じで書いているんじゃないかなー。私も姉、欲しかったなぁ・・・いたらペットになって毎日うにゃ〜んって甘えるのに・・・うん、次の美少女文庫はこれだな。あ、「お姉ちゃんはにーづまだもん」と「キャリあね。」があるか。

  • 女同士の関係

やはり正統派ラブコメ同様、主人公と幼なじみはデキています。幼なじみがお弁当を作ってあげたりしています。でも、ミナギ先生と同棲するからまあ大変、という構図。すれ違っていしまいます。この辺が中盤の盛り上がりどころ。ま、幼なじみとミナギ先生が屋上でお互いをお互いにライバルとして認め合うから、後半はいい雰囲気。これも、ひまりと凛子の関係みたい。

  • 最後、ミナギ先生が恋が実らないと勘違いして自害しようとするところ。主人公のセリフ。

かってな想像でかってに失恋するなんて。絶対にありえない!オレに確かめもしないで

ここが一番緊迫して盛り上がるところ。でも、もうこの数行先にはゆるゆるな雰囲気が展開です。

「「「女って生き物をまるで分かっていない!」」」(179頁)

このセリフで、一気に日常の雰囲気へ。
・・・うん、自分だったら主人公のようなセリフを吐くだろうね、きっと。だから女と言う生き物をわかっていないんだろうね。みかづき紅月センセは、この本を含むいろいろな本で予習の材料を提供してくれているよ。でもおにーさんは劣等生だからまだ補習が必要なんだよ、きっと。

登場してくるヒロインもそれぞれ魅力的です。

  • ミナギ先生、ちょっと天然ボケなところ!「っめ!」(122頁)はねー、受ける人には受けるんじゃないかなー。
  • 幼なじみは罵倒するもんです。ここはセルフパロで「deathっちまいな!」を使うべきところだろー、とひとりツッコミ。ツンデレというのはいいもんです。

随所に登場する小ネタ。魅力的なヒロイン。特にミナギ先生のポニテ。綺麗な締めで読後感も良い。兎塚エイジさんのイラストもプラス評価。ということで、総合評価で星5つ。

ラノベっぽいラノベといえばいいんじゃないかなー。深いところを期待して買うのは間違い。岩波文庫は死んだ偉い人の本です。それとは正反対。サクサク読まれることを目的として書かれた本。そういうふうに書かれた本、ということで、そのような目的を完全に果たしているから、上記のような評価です。確かにスマッシュ文庫では文字が苦手な人にも配慮というのはそのとおりだと思いました。