こうの史代「夕凪の街 桜の国」

本屋で目に止まった一冊。中身の解説というより、読んでいて放心してしまったページの台詞を抜書きします。

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

そしてそれきり朝には足が立たなくなっていた。
朝 お母さんがお粥を作ってくれた
それきり午後には何も飲み込めなくなった
夕方 お医者様が栄養剤を売ってくださった
夜おそく まっくろな血をはいた
そして それきり目も見えなくなった


だまって手を握る人がいた 
知っている手だった








痛い





のどをまた なまぬるいかたまりが通ってくる
もうただの血ではなく内臓の破片だと思う
うでは便器を持つのが精一杯
髪も抜けとるのかもしれんが触って確かめる気力もない
あしたにしよう・・・・あした・・・・








嬉しい?






十年も経ったけど原爆を落とした人はわたしをみて
「やった!また一人殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?


ひどいなぁ
てっきりわたしは死なずにすんだ人かと思ったのに