こうの史代「夕凪の街 桜の国」
本屋で目に止まった一冊。中身の解説というより、読んでいて放心してしまったページの台詞を抜書きします。
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
- 購入: 60人 クリック: 1,350回
- この商品を含むブログ (1129件) を見る
そしてそれきり朝には足が立たなくなっていた。
朝 お母さんがお粥を作ってくれた
それきり午後には何も飲み込めなくなった
夕方 お医者様が栄養剤を売ってくださった
夜おそく まっくろな血をはいた
そして それきり目も見えなくなった
だまって手を握る人がいた
知っている手だった
痛い
のどをまた なまぬるいかたまりが通ってくる
もうただの血ではなく内臓の破片だと思う
うでは便器を持つのが精一杯
髪も抜けとるのかもしれんが触って確かめる気力もない
あしたにしよう・・・・あした・・・・
嬉しい?
十年も経ったけど原爆を落とした人はわたしをみて
「やった!また一人殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?
ひどいなぁ
てっきりわたしは死なずにすんだ人かと思ったのに