筆祭競介「おしかけダブルアイドル」

さて、気分を変えて、今月の二次元ドリーム文庫

アイドルとくれば、以前も取り上げた作品*1の中にありますが、今回はまた一風変わった趣向のもの。水着でのえっちを期待して読んでいたんですが、それほどありません。でも満足です。

「妹はグラビアアイドル」も個人的な好みに直撃でしたが、今回もこれ良い出来だと思います。私、こういうの好物です。

キャラを造ることを強制されてしまって、自分のしたいことができないヒロインたち。その葛藤を、主人公が解決していくんですが、まず、それぞれの登場人物に共感できるし、好感が持てる。

高飛車、幼馴染の小春風りの。強気だけど、売れるためにきちんと努力もする。歌唱練習、一人ひとりにサインなど。しかも、えっちのときには超敏感体質。中に入れただけで喘ぐ喘ぐ。もう一人のヒロイン・REonAがつらいときは主人公とのセックスを譲る。ここで、自分の中で良いオンナ度が、REonAとの間で逆転。最後は、今までの清純派からの脱却をしたことにファンが付いてくれるかどうかを悩む。「でも、大丈夫!がんばって!」という気分に読んでいてなる。あー、やっぱり、こーいう良いオンナ度が高い人を応援したくなるんだよね。天元突破グレンラガンでニアなんかより断然ヨーコだろー、マクロスFではランカよりシェリルだろ!

もう一人のREonA。爆乳アイドル。もーね、甲斐甲斐しい!お料理ができるし、清楚なんてそれだけでテンションが高くなる。恋愛小説家を目指そうとするところで、ゴーストライターを使って書くと出版社に持ちかけられたときに、小説家としての自分にこだわろうとしたあたりで、こっちも共感出来ます。水着でかくされたおっぱいが、時間差で揺れるところなんてエロすぎるっ!!

主人公の男も、欲望に忠実。でも、ヒロインたちに手を差し出す。グラビアの写真を見て妄想するのはたぶん男性なら誰でもしたことはあるはずだから、自分に近いなーと思えるし、主人公を見て、ある意味男の世界の桃源郷だと思いました。自分も主人公の男に没入した気分で読めました。

総合評価でダントツで星5つでしょう。2010年の二次元ドリーム文庫ベスト5入りは確実だと思います。敢えて苦言を言うと、カラーの絵とモノクロの絵ではちょっと雰囲気が違うところ。同じ絵師っぽくない。私はモノクロ絵の方が可愛いと思います。ま、こんなの気にならない程度。お話も、丁度良いページ数でまとまっていて、ヒロインは可愛くて、それぞれに見せ場があって、主人公にも共感できる。文句なく、おすすめの作品です。