秋山瑞人「イリヤの空、UFOの夏 4巻」

うーん、前も書いたけど、どうもイリヤ綾波レイという感じがしてしまうなぁ・・・・今回もそう。最後のところで、浅羽くんが、イリヤを、精神的拘束から解放するところ。なんかなぁ・・・

あなたは死なないわ、私が守るもの

こう言っても、不自然ではない。
学校で生活をさせて、生きる動機を与える。中学生の夏って、所詮そんなものかもしれない。

作者コメントの欄で、作者がこの作品はハッピーエンドかどうかを担当と議論した、と書いてある。自分なりの見解を言うと、イリヤを解放したあとの浅羽くんの行動にどうも賛成できなくて、理不尽。

浅羽くんの台詞。

「ぼくは伊里野のことが好きだ」
「伊里野が生きるためなら人類でも何でも滅べばいいんだ!!」

わたしも他の人なんか知らない。みんな死んじゃっても知らない。わたしも浅羽だけまもる。私も、浅羽のためだけに戦って、浅羽のためだけに死ぬ

イリヤが自分の意志で飛び、守った世界。浅羽くんのための世界。

でも、ラストが欲求不満。だってねぇ・・・浅羽くんは、おそらく、イリヤと会うことはないわけで。最後、猫の校長が消えていった一文でも、進級した浅羽くんは、イリヤに1年以上もあっていないことを示唆している。イリヤは死んだの?生きているの?よかったマークを描くということは、空をとぶイリヤのためなのか、あの世のイリヤのためなのか?

浅羽くん、君が海を見ながらイリヤに言った台詞や、榎本に叩いた啖呵は、すでに思い出の物になっているのかい??確かに、祖母の家に行くことは、無力な中学生の行動だ。だが。イリヤとの中二の夏は、過去の良い「思い出」に昇華されるものなのか!?たぎる情熱は、よかったマークを描く事だけで満足されるの?

大人になった浅羽くんが、「俺さー、中二の時に、世界救ったんだよなぁ・・・」と、酒を飲みながら同僚と喋ったりしそうで、、、、そんな浅羽くんはみたくないなぁ。