月乃御伽「は〜れ部創立!新入部員嫁募集」

先月刊行の水無瀬さんごに続いて、新人作家。嫁が6人。「ハーレム王に俺はなる!」と田中真弓さんの声で再現されそうな内容。

長っ!!これが最初手にとった時の感想でした。あと本の後ろが二次元ドリーム文庫っぽいなぁ、と。

嫁が6人となるとかき分けが大変で、どうあっても一人当たりの掘り下げが少ないんじゃないかと、いつもの批判がくると思うんですが、ハーレムを作る!という主人公の目的を軸に、一人ひとりの背景を丁寧に描いているんですよね。だから、冗長な印象もなく、飽きずに最後まで楽しめました。

私もかーずさんの感想と同じです。http://www.karzusp.net/2010/08/10-071357.php

ハーレム物ってジュブナイルポルノではとにかく難しい要素なんですよ。限られたページ数で大量のキャラを出すだけでもラノベではNGで、誰が誰だか説明不足のまま、名前だけがベルトコンベアーのように右から左に流れていくだけで、あっちゅう間に終わってしまう。

このキャラの掘り下げと多人数がいいバランスで共存していて、一冊のラノベでは6人が限界値なんだと思いますね。
6人のヒロインを各章で落としていくところではしっかりヒロインのバックボーンや性格を語りつつ、主人公との交流を通して、相思相愛になっていく過程が手抜きされずに書いてあるので感情移入も出来る。

美少女文庫編集部の評価も同じく。

ハーレム路線はある意味、ライトHノベルの定番でありますが、月乃さんはその定番路線に真摯に向き合ってくれました。

ハーレムって、エロにおけるAKB48だと思うんですよ。私、あんまり詳しくないんですが、AKB48も、48人も入れば、一人くらい自分の好みの人がいると思うんですよね。今作ではヒロイン6人。属性よりどりみどり。これだけいれば、気に入るヒロインや好きなシチュエーションもひとつくらいはあると思います。そこに注目して、選んで読めばいいんじゃないかなぁ。

私の一押しは、今作だと、剣道少女と貧乳妹ですね。おにいちゃんをロリコンにする!!なんて兄に負けず劣らず壊れているなあ。剣道少女は自己分析出来ているクールっぽい感じが良い!

作者の特長として、喘ぎ声の台詞がエロいです。エロい変態が壊れてくる様子が伝わってくる絶叫系。

「あぁ♥ふあぁ♥オナペットだよね?優菜はお兄ちゃんにとって最高のオナホールだよね?」
「ああっ、最高だ!ニーソの優菜は最高だ!」

とまぁ、一例をあげるとこんな感じ。うん、普通じゃないな。いい感じの壊れ具合。

倒置法使ったりしていてちょっと文体が堅いなーと思ったところもいくつかあったけど、新人だからあんまり気にしない。ま、今美少女文庫で活躍している人たちも新人のときは・・・似たようなもんだったから、書いていくうちに慣れるでしょう。

ということで、今回の新人の方も先月に続いて当たりですね。次回作も買います!