上原りょう「上等!生徒会長サマの花道」

いつの時代だよ・・・・と読者自身もツッコミを入れたくなる女番長兼生徒会長・風祭伊吹がメインヒロイン。サブヒロインは特攻隊長・芙蓉蓮子(通称レンコン)、生徒会長と対立する風紀委員・新城仁亜子(通称にゃんこ)。主人公はいつものような無気力・受身系ではなく、ごついタイプ。

主人公は、番長→レンコン→にゃんこと順番に手篭めにしていきます。登場人物のキャラが目立っていて分かりやすいのが、今作の特長でしょうか。伊吹の場合、姐さん気質という基盤を据えて、帯刀に対する嫉妬、お嬢様とのギャップなどを各章ごとに描いています。姐さん気質も、自分を反省してみせたり、リーダーとしてレンコンを操縦してみせたりと、ヒロインのイメージを植えつけていきます。

レンコンもひんぬぅロリ担当として、わがままで暴走する妹みたいな感じ。でも近所のおばちゃんには可愛がられるタイプ。
にゃんこはふりふりポニーテール!ということで、無類のポニテ好きの私としては気にかけながら読んでいたのですが、その実態はエロ変態担当。S気味のプレイはするし、精液の匂いを嗅いで壊れるし、小さいサイズの水着も着用してしまう。乳担当の割には、おっぱいを堪能するのが最後だけ、という割と少ないパターン。
最後の3人で、のところが一番エロかったかなぁ。にゃんこの壊れる台詞(288ページ前後のえっちぃシーン)が良かった。

あと、今作で、キャラに愛着が持てたのは、やっぱりあだ名があったからでしょうか。伊吹は登場人物のことを、レンコン、にゃんこと呼びかける回数が多いんですよね。これは、伊吹の番長としての度量の広さを示すものでもあるし、登場人物との関係の近さを示すものでもある。登場人物を身近に感じられたので、すっと入り込めた。キャラ立ての一環として、作者が意図してやっていることなのかはわかりません。

総合評価で星4つ!うん。ストーリーも組み立てられて、メインヒロインの伊吹の心の中(番長としての矜持や精神を継受させていきたいと思うところ)もあって、ただエロいシーンが繰り広げるだけとは違う。軸があったので飽きなかった。

さて、今月の美少女文庫も読了しました。今月は良作揃いだったので全員横一線。青橋由高上原りょうも月乃御伽も全員GJ!!