里田和登「僕たちは監視されている」

僕たちは監視されている (このライトノベルがすごい!文庫)

僕たちは監視されている (このライトノベルがすごい!文庫)

このライトノベルがすごい!文庫創刊を記念して買ってきた一冊。本当はもう少し早めに感想かければよかったんだけど、事情があって遅れた。その事情とは、最初は文体と世界観の設定が肌に合わず、読むのに時間がかかったこと。普通、これくらいの量なら2、3日で読み終えるのに、1週間もかかった。ま、最初が大変だっただけで、慣れてきた後半はいつものペースで読めたけどね。念のために言っておくけど、これは、この小説に対する批判にはならないだろうなぁ。

さて、中身について。ニ◯ニ◯動画を彷彿させる、クローラのコンテンツ配信者*1である小日向祭と、ユイガ。祭の友人・一葉。この三人が物語の中軸。祭とユイガがそれぞれ抱える秘密と背景。公開範囲が広すぎるため、映ってしまう周囲に気を遣いすぎてしまうユイガ。自分のせいで、、、、と傷つくユイガを救おうとする祭は文字通り、ヒーローですよ。ヒーロー。一葉が祭を殴って気合を入れなおしたシーンからは燃えますね。

祭が抱える、少し暗い影。なんか、明るく振舞っている祭も本人だし、その中で少し秘密を隠している後ろめたさを抱える祭も本人だったりする。でも、それもラストで解放。もうね、自分は男の娘だと告白して終了。

この作者の会話の調子が癖になる。最初は読みにくかったんだけど、慣れてくると、普通に戻れない。

*1:イメージとしてはニコ生配信を四六時中やっている状態に近いかも。