間宮夏生「月光」

アクセスが7万を越えました。リクーム以上の戦闘力。6万越えから1ヶ月半程度。これもひとえにかーずさんのおかげです!今後ともよしなに。

では読書感想行きますかー。今回は、間宮夏生さんの「月光」。

月光 (電撃文庫)

月光 (電撃文庫)

新人さんらしいですね。電撃の新人とくれば、前回ひどい目にあったわけですが、今回は面白かったよ!

冷静、淡々と語りかけるヒロイン・月森葉子。主人公・野々宮。この組み合わせで進みます。
ふと、「殺しのレシピ」と付けられた紙を拾った野々宮。そこには殺し方が載っているんだけど、どうも不確実っぽい、偶然に左右されやすい殺し方で。でも、それが成功すれば、本当に、偶然を狙って人を殺したことになる。そして、実際に、月森の父親が、殺しのレシピと同じやり方で殺された。

森葉子が、父親を殺したのではないかと主人公・野々宮が疑いをかけていくのですが、読んでいる私としても、本当にどちらに転ぶのか謎でした。そう、読んでいて、やっぱり月森葉子が父親殺しの犯人なのか、殺しのレシピは本当なのか・・・・でも、途中の葉子の発言からすると、そうでもないような気もするし・・・と。悩みながら物語は中盤へ。警察官である虎南*1が出てから雰囲気が一変します。

虎南は、野々宮と同じく、月森が犯人だと疑っている。野宮くんは、月森犯人説の可能性は最終的には排除。このあたりからは盛り上がるなあ。野々宮くんと虎南の読み合い。
で、月森葉子自体はやっぱり全て手のひらで踊らせていた。野宮くんにしても、月森が楽しむためだけ。わざと殺しのレシピを拾わせている。あんまりこういうタイプのヒロインを設定するの、珍しいかもしれない。月森葉子自身も、主人公自身も、冷静。相手を読むタイプ。お互いの読み合い、化かし合いが緊張感のある、淡々とした会話に現れる。
月光というタイトルの通り、静かに進む物語。こういうのもいいんじゃないかなぁーと思った一冊でした。星4つで!

こちらの感想が私と近いですかね。↓参考までに。
http://d.hatena.ne.jp/hobo_king/20100918

*1:つーか、読み方が「こなん」って、どう考えても狙っているだろ・・・・