みかづき紅月「ホテル王のシンデレラ」
- 作者: みかづき紅月,辰巳仁
- 出版社/メーカー: フランス書院
- 発売日: 2010/12/06
- メディア: 文庫
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みかづき紅月さんに・・・・・はじめて・・・・奪われちゃった・・・・・っ!!
・・・・ということでティアラ文庫初体験です。脱童貞です。脱キモオタです。
こんばんわ。地元のアニメイトのティアラ文庫の棚でみかづき紅月さんの新刊を探しているときに感じる微妙な目線に、視姦されちゃう!とも興奮できない人間です。こいつ何しに来たんだよ・・・と思ったんだろうなぁ。
お話は、ホテル・ライオードのオーナー、ライオードが、小娘アンを養女にしちゃうお話。みかづき紅月参自身があとがきでもはしゃいでいるように、おじさま萌えが今回のテーマです。
女性向けだと色々と作法が違うんだなぁ、、、、と感じながら読んでいました。普段読んでいるものが美少女文庫で、やはり女性向け作品の作法に慣れていないのか、若干読みにくく、読了に時間がかかりました。同程度の厚さの本なら2日(長くても3日)あれば読めますが、5日かかりました。これは作品の問題ではなく、女性向け作品の文法を知らない私の問題です。
今回読んで感じたことをつらつらとかきますね。
- えっちぃシーンの量が短かった。みかづき紅月さんって、美少女文庫の中でもえっちぃシーンにはあんまりページ数を割くタイプの人間じゃないけど、今作ではもっと短い。5〜6ページで終わってしまう。最初は物足りないと思ったけど、これは対象読者の違いなんだ、と途中から学習しました。
- アンジェラが少女漫画の主人公みたいなリア充。ちょっと落ち込むときもあるけど、持ち前の気力でがんばらないと!と、非常に積極的、前向きなアン。メイドのリイラとも真夜中まで恋のお話ガールズトーク。几帳面な執事のアレクセイへのリイラの恋も応援しちゃえ!と画策します。
・・・目の前にこんな女の子がいたら、いかにもなスイーツ(笑)過ぎて逆に壁を感じちゃう。でも、「女の子」からすると、こういうタイプが理想なんだなぁ、きっと。
確かにそう。アンの落ち込み具合や、ライオードへのドキドキ感の描写が細かいと思います。逆にライオードやアレクセイ側の内面描写は皆無。全て、アンから見たイメージ。
うーん、これはなんでだろ。美少女文庫でも昔のわかつきひかるさんが、視点を転換させてヒロイン側の気持ちの描写を入れていたけど、最近はあんまりこの手法をとらなくなったよなぁ。それとも関係あるのかな。
自分としては女の子の気持ちをガッツり書いてくれる人、大好きです!
- 素敵なライオードおじさま。男である私から見ても、いい男です。でも、縛ってみたり、万年筆を挿入してみたりと、地味に変態です。女の子からしたら、お前を自分のものにしてやるぞ!という雰囲気を出したほうが魅力的みたい。うん、ライオ―ドの魅力は、自分には存在しない要素で、軽く凹む。
- あと、みかづき紅月さんって、今までの作品の中でもオヤジが登場するときは、かなーり良い味を出しているんですよね。例えば、最近だと、「生徒会長は俺の嫁!」に出てくる寮長かなぁ*2。今までの作品を振り返った意味でも、今回のオヤジ描写は趣味全開でしたね。
つらつらと書いてきましたが、総合すると前向きな女の子が主人公として活躍する恋愛小説としては読めました。美少女文庫的に「使える」ことはできませんでしたね。えっちぃシーンが短いから。夜のお供を期待して購入することはちょっと無理ですねー。これはレーベルの違いなので、これを理由に作品の評価を下げることではないです。
自分にとっての収穫は、なにより女の子側の立場を理解する一助となったこと。普段読んでいる立場を逆転させた小説なので、モノの見方を相対化できる。自分の視野が広がった一冊。いつも読んでいる作者のもう一つの側面だと思えば、そんなにティアラ文庫への抵抗もないし。女性の気持ちを理解出来れば、モテへの第一歩・・・・!と期待できるかもっ