夏目漱石「三四郎」
年末年始は夏目漱石の三四郎を読んでいました。実家の大掃除中に本棚から出てきたもので、見つけた瞬間、無性に読みたくなったもの。新潮文庫版です。
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1948/10/27
- メディア: 文庫
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有名な作品なので、ストーリーは省略。
私、実は夏目漱石・・・あんまり好きじゃなかったんですよ。有名な作品とくれば坊ちゃんですが、読んでいても全く面白くない。小学校のときに読んでもわからなくて、中学校でもダメ。大学の時には松山へ旅行に行ったことがあって、そのときも読んだけど全く面白くない。親や周りの人達は、登場人物がユニークで面白いと言うけど、、、、、肌が合わない。昔は、有名な作品をつまらないと正直に言えなかったので、周りの人達に合わせて、良かったよねぇとつぶやいていました。
以前、こころを再読したときに、多少はアレルギーを緩和。今回もこころと似たような状況の主人公なので読んでみました。ところが最後まで読み切るのに意外と時間がかかった。読みにくいなぁ、と思いながらも、一日20〜30ページ程度のペースで読んでいました。
読んでいて、主人公の三四郎って人の輪の中心に入れないタイプなのかなぁ、と自分との類似点を意識しました。特にそれが反映しているのが、最後の辺での劇場のシーン。劇場で佐々木や原口さんが談笑している姿を遠くから眺めているところ。消極的・・・とも違う。入れない、入る資格がないと自分を規定しているような感じ。周囲から一周遅れている漢字。田舎から都会に出てきたときに、群れに入れなくて、そのまま置いて行かれる。
大学でのシーンは、どこの大学でも同じですよね。通ぶった先輩が、新入生を捕まえて、あの教授は駄目だと批判したり、妙に立ち回りが良い奴がいたり。こーいうのは、昔も今も同じで、どこの大学でも共通しているんだなぁ、と。