野村美月「文学少女と恋する挿話集4」

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

さてさて。本日は野村美月さんの文学少女の短篇集を読んでいました。ウェブ連載を元にしているので、読んだこともある作品もちらほら。

文学少女シリーズっていうのは、文学少女である遠子先輩が、作家であるコノハくんに恋をするお話が一本軸。そして遠子先輩からの視点はあまり語られないからこそ、挿話集は貴重。指輪をはめてしまうおはなしや、その後の遠子先輩の言動を見て、おおおおおおっっっっともどかしく思ってしまう。

遠子先輩は、鮭を咥えた熊の前で、マフラーを巻いた男の人と恋に落ちるんです。それで文学少女シリーズは完成される。この巻は、あのシーンにいたるまでのピースを一つずつ埋めていくような。読んでいて、最後に向かって進んでいる物語であることを強く意識してしまう。あとがきでも次で最後であることを告白しているし。

文学少女シリーズも、もう最後かぁ・・・・。この作品は、自分の中では一つの時代でしたね。このシリーズに出会った頃(小説で言うと、本編の4〜5巻くらいまで進んだあたり)は、色々ありまして、何をやっても面白くない頃だったんですよね。小説を面白そうに語る遠子先輩、読書って本当に楽しい!という思いを語る遠子先輩を見て、自分も考えが転換できたんですよ。遠子先輩は、僕にとっても「文学少女」でした。面白い、面白いという評判を聞きつけて、物は試しで買った1巻を東京行きの飛行機の中で読んでいたことを思い出します。それが面白くて、秋葉原で続きを購入していました。その後はなんども読み返した作品です。さて、泣いても笑ってもつぎで最後。野村美月さん、最終巻を本当に楽しみにしていますっ!!!