巽飛呂彦「押しかけプリンセス ナイト&メイド付き」

今月の美少女文庫第二弾は巽飛呂彦さんの新作。巽さんご自身が告白しているように、私も別な作家の本かと思った。競合他社の二次元ドリーム文庫にありそう。

おはなしの展開は、タイトル通り。預言を受けた西欧小国のプリンセスがおしかけてくる、というもの。それにナイトとメイドが付いているけど、実は・・・・?というもの。キワモノ、イロモノ作品が多い巽さんの本としては割とオーソドックスなものに属するかも。

手数の多さよりも一回あたりの濃さを重視する私にとって、この手の作品は好き。ロッテ、エリーゼ、ミリアと一回のターンがそれぞれかなり長く続きます。最後は4人で、というもの。

ストーリーについて。この本の軸は、エリーゼを中心とした信頼。ロッテもミリアもなんだかんだでエリーゼが大好き。これが感じられて良いなぁ。特にミリア。騎士としての女の子同士の友情の限界を超えるか超えないかの瀬戸際って、良いよねっ!

でもそんな限界も、ロッテはあっさり突破。「女の子同士なんてぇ・・・・すごく刺激的かもぉ」(235頁)、と。僕は、ロッテの舌っ足らずな甘ったれた口調がとてつもなく好きだ。後さき考えずにおっぱいを押し付ける行動も。現実にいたらウザイけど。職場でそんな女がいたら殺意を抱くけど。二次元なら許す。むしろ二次元だからこそ存在してほしい。そしてロッテは地味にエロい。積極的に挿入されに行く。やや天然ボケで巨乳で変態という高スペック。

なんか、巽さんらしくない評価だけど、よくも悪くも二次元ドリーム文庫。これはこれで面白い一冊。傑作というわけではないけど、良作なのは間違いない。ということで、星4つ。