わかつきひかる「お嬢様の恋人試験」

ここらでちょいとわかつきひかるについて、自分なりの印象を語ってみようか。ちょいとキツイことも書くのでわかつき信者の方は見ないほうがいいかも。




さて。わかつきひかるとは。言わずと知れた美少女文庫の人気作家。ファンも多い。美少女文庫初期の頃から活躍し、最近では一般ラノベにも進出。To LOVEるのノベライズで、裾野を広げている。

……まぁ、簡単に説明するとだいたいこんなところ。追加説明として、わかつきワード「子宮頚管粘液」と「きゅんきゅん」、ヒロインを調教するソフトSMプレイパターンが多い、など。

  • 【特徴1】わかつきひかるって、大体の場合、現代を舞台にしたものがほとんどなんですよね。主人公、ヒロインも10代がほとんど。だから、中学校、高校と関連させるパターンが多い。このとき、私、おばさんが無理して制服着たような違和感を感じるんですよ。中学や高校の実際上の雰囲気って、こんな感じ・・・・なのか?と思ってしまうわけです。実際にありそうな路線を目指しているようで、でも実はその方向性は成功していないんじゃないか、と思います。
  • 【特徴2】わかつきひかるの文章は、どちらかと言えば、書き込みが少ないタイプ。青橋由高とは対照的。青橋さんは、がっつり、隅から隅まで書き込む。他方、わかつきひかるさんは行間を読めというメッセージを発しているかのように、隙間が多い。ふわふわとした、地に足が付いていないような文体、という印象があります。この手の文体では、実際の世界、現実的な舞台にはあんまりあっていないんじゃないか、と思ってしまう*1

で、今回の作品。今回のヒロインは不思議系電波少女。今回の作品は、わかつきひかるさんの私が好きではないところ【特徴1】、私が好きなところ【特徴2】が両方現れていますね。実は、わかつきさんはファンタジー色や、無理して現実にあわせない世界観の方が合っているんじゃないかなぁ、と思っています。今回、不思議系電波、お嬢様ということで、むしろ、わかつきひかるの特色を出し易いパターン。地に足が付いていない、ふわふわとした会話のターンが、不思議系お嬢様の雰囲気を醸し出しているなぁ、と読んでいて思いました。

今回の作品は、女性側の視点で、身体的な内面の描写が多かったような印象を受けた。いろいろと読書感想を回ってみたけど、この点を書いている人はいなかったが、、、実際はどうなのかな。

メイドともまぐわうのがなかったのが残念だが、今回は不思議系のヒロインを堪能。総合評価で星3つってあたりで。

*1:私は青橋さんを批判するつもりはありませんよ。わかつきさんとは文体が対照的だから例に挙げただけです。私、青橋さんの文体好きですし、好きじゃない人間は同人誌の小説なんか買いませんって。