さがら総「変態王子と笑わない猫。」2巻

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

前巻の続き。驚異的な執筆スピードですねぇ。もともと続編構想があったのか、と思ってしまう。

これは、登場人物の女の子に萌える本です。

なんかね、各ヒロイン(月子、つくしの筒隠姉妹、そして小豆梓)も可愛くて可愛くて、お兄さんペロペロしてぎゅって抱きしめてあげたい。

  • 月子

こう・・・表情を出せないけど、一緒に過ごしたい、という思い。そんな気持ちから、猫神に祈った結果としての豪雨。皆が、筒隠家で生活することになるけれども。確かに一緒にいて、一緒に食事をして楽しいんだけれども。

100パーセント同じ座標で同じ目線で同じ風景を見て暮らすというのは不可能だ。ぼくらは同じ世界のすぐ傍で、決して重なり合わずに、たまに寄り添うようにして生きているのだ。

だから、四六時中一緒にいることはできない。でもたまになら、一緒にいることはできるし、そうだから楽しい。距離が遠いから楽しいんだ。

  • つくし

勘違い姉さんっぷりが板についてきて、逆に楽しいです。そして天然エロいというハイスペック仕様。姉はやっぱりポニーテールだよなっ!

  • 小豆梓

可愛さバロメーターというものが存在しているならすでに振り切っているね!最初に沖縄に誘った時も!陽人が全然振り向かなくて怒るときも!留守電も!笑わない猫に召喚して、ベッドにくくりつけられた時も*1!陽人をぎゅって抱きしめて頭をなでなでするときも!そしてニコっと笑った時も*2

小動物を弄る(「いじ-る」)*3感覚を、この作者の語感センスの手にかかればそのまま反映。あー、なんて見ていてなごむんだ。っていうか、もういっそのこと、筒隠家に一緒に住めばいいんじゃね、と思ったけど、それだと今回のテーマに反する。あ、作者はこーいう見解を牽制するつもりだったんだ。やっぱり距離があるから、関係を楽しめる。一緒の視点、一緒の座標というのは、楽しいのではないんだ。距離が必要ってのは分かるけど、小豆梓とのすれ違いっぷりは見ていて痛々しかったけどなっ!陽人もいい加減に気づけよー、と。

この作者の文体、好きです。絶妙な言い換え、というのかなぁ。例えば、「撲殺(ぼくさつ)」と「僕殺(ぼく-ごろし)」みたいにね。B.B.Joker*4を彷彿させるセンス。このセンスは面白いです。3巻も楽しみにしています。

*1:154頁

*2:176頁

*3:「弄ぶ」は「もてあそ-ぶ」ですよ!

*4:にざかな」を作者とするギャグマンガ。シュールな笑いと独特の語感センスが特徴。例えば「布団(ふとん)」と「布団(ぬのだん)」など。知らない人はウィキペディアでも参照してくださいませ。私、修さん大好きです。生物も好きだけど、サラリーマン好き。なんで途中で消えたんだーーー!