庵田定夏「ココロコネクト ミチランダム」
- 作者: 庵田定夏,白身魚
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/01/29
- メディア: 文庫
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一巻の感想を見返して思い出したけど、これ発売当初はそんなに注目していなかったんだよなぁ・・・・二巻が出て、ま、面白そうだから買ってみるかと思って気軽に購入してからお付き合いが始まりました。今やすっかり新刊が出たら即購入するレベルにまで。
毎回毎回、文研部に訪れる危機を解決するたびに燃える展開。今回は、感情伝導。自分の思っていることがそのまま、相手に伝わる、というもの。でも、人格入れ替わり、欲望解放、時間退行と鍛えられた五人なら、きっと大丈夫。今までの試練も、自分の心をぶつけ合ったから。自分の感情をそのままストレートに伝わることになっても、培われた友情パワーだからこそ、受け入れられるし、許しあえる。でも今回の現象に耐えられない一人。
永瀬伊織が、壊れた。
周りが期待する永瀬伊織という人物。いつもニコニコしていて、少し天然ボケ。明るくて可愛い娘。でも、周囲の期待が膨らめば膨らむほど、伊織は圧迫される。周囲の期待に答えようとする。
でも一度でも理想の自分を出すとさ・・・次もそうするのを期待されるじゃん!
期待に圧迫され、期待に答えられなくて、こわれた伊織。今までの自分のイメージを壊すために、伊織が放つ、冷酷さ。
でもそんな伊織をもう一度ぶち壊すのも、稲葉姫子の友情パワー。2巻とは対照的な構図です。
なんだ、みんなに期待された、だ?バカか?何様のつもりなんだよ。何どこぞのメインヒロインぶってんだよ、あ?誰がどれだけの興味持ってお前を見てると思ってんだよこの自意識過剰っ。誰もお前がどうやってどうなるかになんてむちゃくちゃ興味が有るわけでもねーよバーーーーーーーーカ!
てめえの人生だろうがっ、勝手に好きなように生きとけっっっっ!そしたら後は勝手に周りが・・・アタシが・・・受け止めてやるよっっ!
周囲を気にしすぎた伊織。伊織に救われた、稲葉だからこそ、ぶち壊すことができる、永瀬が作った壁。燃えたぎる友情パワー。
伊織と太一は確かにお似合いだったけど、考えて見れば、お付き合い・恋愛の練習という高校生世界でのお似合いカップルであったように思う。仲間ってのは魂で繋がってんだよ!*1という意味では、太一は稲葉の方が似合っていると思う。稲葉姫子は強い。でも中身は弱い女の子。支えてあげることができるのは、太一。稲葉姫子には太一が必要だし、自己犠牲に走ってしまいがちな太一は、導いてくれる稲葉姫子が必要。なんか、お似合いだよねっ!
今回もクオリティが高い一冊。評価は当然の星5つ!メインキャラの5人のひとりのはずなのに、サブキャラの藤島麻衣子よりも活躍しなかった青木義文はサマルトリア王子レベル。*2