月乃御伽「お嬢様☆嫁入り抗争」

さて。ということで、2月の新刊買って読みました。新人王決定戦、と帯にはあります。まずは、「は〜れ部創立!」でデビューした月乃御伽の第2作目から読書感想行きますかぁ。

ちょっと実験的に、上記の軸での評価を試してみます。
1.設定がシンプルかどうか
極道お嬢とマフィアお嬢の抗争、という世界。街の北半分を、古くからの極道が支配。南半分を、新参者のマフィアが支配。前者が和風テイスト、後者が洋風テイスト。あー、確かに設定がシンプル。これはわかりやすい。

2.ヒロイン・作品の属性が分かりやすいかどうか
タイトルそのまんまですね。二人のお嬢様がいて、嫁入りを争う。これはわかりやすいです。
タイトルだけでは空ちゃんは想起できないが、これは空ちゃんが、作中でもサブヒロイン扱いだから、でしょう。ま、後ろのあらすじ読めばわかるしね。

3.ヒロインが魅力的かどうか
あー、これ、一番読者の主観に影響するものかもしれないなぁ。私はお姉ちゃん好きだから、桜さん一択だったなぁ。作品の展開上、桜さんが先手、緋巴が後手に回ってしまって、桜さん一生懸命頑張ったのに緋巴に挽回される展開になって可哀想、と思っていました。
前作では妹・優菜ちゃん一択という意見が強かったけど、空ちゃんは、優奈ちゃんほど変態じゃなく、サブでの位置づけで、キャラが薄かったから、妹/ロリという属性でのツボが私には入らなかった。あとは、、、、個人的にはスカやオムツは回避*1

うーん、実験的に評価軸を試してみたけど、これだけじゃあ作品の感想はかけないなぁ。あくまでやっぱり、複数ある評価軸軸、評価のポイントの一つに過ぎないなぁ。ということで、以下では自分の好きなように書きますよ!
読んでいて思ったのは、お前はまだ丸くなるようなタマではないっっっ!!(特に文体)
前回の感想と反対のこと書いて申し訳ありませんが。前作の感想で、私は「ちょっと文体が堅いなー」と書きました。作者もそれを気にしたのか、マイルドになっていますが。マイルドになっていますが。作者の味が薄くなったように思う。今、水無瀬さんごさんの作品を読んでいる途中なんですが、水無瀬さんごさんは、軽妙洒脱、ライトでポップ、サクサクとした文体。これはこれで作者の妙。で も 、 お 前 が 目 指 す の は そ こ じ ゃ な い だ ろ っ っ ーーーーーー!!水無瀬さんごが軽装備の盗賊なら、月乃御伽は重装備の戦士。タイプ的には軽自動車じゃなくて、重戦車でしょう?本当はもっと書き込みたいんでしょう?淫語、隠語、比喩表現を使いたいんでしょう?もっともっと変態台詞言わせたいんでしょう?ハートマークだって連発したいんでしょう?
ネット上の評価を気にして、自分自身を抑え気味、封印してしまったような。いい意味での新人らしさが抜けてしまっている。次回作、趣味全開で来いよっ!待ってる!!

  • 追記

前作と微妙にリンクしているのを見てニヤニヤ(195頁)。

*1:遠野さんも少し苦手です・・・・