水無瀬さんご「お兄ちゃんのこと、好き好き大好き好き好き」

前作「お嬢様錦織由梨菜は保健が苦手!」でデビューした水無瀬さんごさんの2作目。

これは、、、、、ヒット作になる予感がしますねっ!!作者のブログでは「皆さんにガンガン買って頂けると、MacBookがMacBook Proになる程度の能力が備わりそうです。」とありますが、iMacの27インチ・・・・いや、ひょっとしたらMacProまで行ってしまうんじゃないでしょうか。27インチですよ!!27インチ!!超便利!!!俺欲しい!
まず、ぱっと目につく表紙は、犬洞あんさんの可愛いイラスト。なのに中身はヤンデレというギャップ。

実の妹である彩夏は病的なまでにお兄ちゃん好き。大好き。好き好き大好き。結婚したいと思うぐらい大大大大好き。さらに変態。そんな彩夏の行動は、僕らが持っている一般常識を突き抜けます。
例えば、エロ本を読むのも浮気、お兄ちゃんが他の女の子と話すのも浮気。お兄ちゃんが、お兄ちゃんが、と。もうね、《夏祭りの浴衣の準備=縄で縛る》と直結したシーンは吹いたwほかにも変態的行動・変態的台詞を連発。例えば、ラスト。孤島のプライベートビーチに二人で行ったとき。

うーん、絶好の監禁日和だね、お兄ちゃん!

彩夏に毒されて、変態に慣れてくる恭一の成長と共に、読んでいる私の頭もおかしくなりました。この台詞に違和感を感じる方はまだ普通の生活ができるとおもいます。

文体や日常会話のターンも、軽妙洒脱。今のラノベ読者層に適合した、ライトなノリでさくさく進みます。これは作者独特の味ですね。このような文体は、美少女文庫作家の中では今までにないタイプだと思います。

これは非常に良い!読んでいて楽しい。逆にここまでクオリティが高いと三作目が作者にとってハードルを上げてしまって、書けなくなるんじゃないか、と不安になるくらい。美少女文庫公式サイトでは変態王子と呼ばれていますけど、確かにノリはあれに近いですね。特にサブキャラの五十嵐姉妹の行動は読んでいて笑えるなぁ。評価は磐石の星5つ!!エロ抜きにしても面白い一冊だと思います。

読んだ時にはエロについては若干薄いような印象を受けてしまったが、実際に数えてみたところ、他の作品と比べてもそれほど変わらないページ数だった。ん、なんでだろ。