青橋由高「お姉ちゃんの婿になれ!」

はーい、飲み会から帰宅で酔っ払った状態のままですが感想書きますよー

青橋センセーの最新作です。ヒロインは三人。一番上の沙月お姉ちゃん、次女・希望お姉ちゃん、三女・流音お姉ちゃん。どのお姉ちゃんも、弟なしにはなにもできない。弟がいなかったらなんにもできない、直ちに健康に影響が出るレベルのダメ人間。姉がブラコンなのは大前提として、弟も重度のシスコン。お姉ちゃんのお世話をすることが人生の生きがいと化している。んで、ダメ人間のお姉ちゃんをお世話→えっちぃ展開へ、と進みます。読んでいて、とにかくダメなお姉ちゃんたちがたまらないっすね*1

私が特に気に入ったのは、希望お姉ちゃんだなー。表向きは、びしっとした高校の先生。だけど、ツンツンの態度は、弟との関係では崩壊。べったりモードです。なにより、最初に童貞を奪ったという自負感からか、他のおねえちゃんよりも自分のほうが一歩リードしている、という意識が、読んでいて可愛くて。でも最後はハーレムも、悩みつつもやむを得ない、という心情に到達しちゃうんです。

作者の自己解説(1)(2)では散々迷走した、と自分で告白しているものだったので、読む前は地雷かもと思っていました。が、まぁ、それほどでもなく*2

世話してあげる、というお姉ちゃん像ではなく、世話をしなくてはならないお姉ちゃん。ダメ人間具合が可愛さを呼び起こす一冊でした。

*1:例えば、動揺の見解として、http://www.karzusp.net/2011/06/27-064419.php

*2:ただ、希望お姉ちゃんとのセックスシーンは一番ページ数を割いていたけど、それ以外のおねえちゃんとのシーンは、明らかに少ない。うーん、やっぱりこれは・・・と。

赤月カケヤ「キミとは致命的なズレがある」

まずは、フミツキマサヒトさん、かーずさん、いつもブログにて紹介していただき、ありがとうございます。

さて、青橋センセの新刊も読み終わったんですが、明日、明後日と二日続けて飲み会なので、ちょっと感想書くのは遅れるかもしれませぬ。酔っ払った状態で帰宅して、感想書ける程度の酔い具合だと書くかも。

んで今日は、ガガガ文庫優秀賞。デビュー作の感想を書きます。

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

ちょうど一ヶ月程前にもう一人の新人賞作品を読んだんですが、私としてはこっちの方が好き。

お話の中身は、ややミステリっぽい。主人公の海里克也は、過去の記憶がない。それは自分が過去に少女を殺してしまったショックから来たものだと思うようになる。フラッシュバックする少女の死体。赤い血。

ぺたぺたぺたぺたテープを貼って。とんとんとんとん釘を打って。決して開くことない過去の記憶

克也の主観と認識の世界が、現実ではない。そこに"ある"のに、認識しない。それは、自分のトラウマだから。過去の記憶を思い出さないために。余計な物は認識しない。

あるいは。

そこに"いない"のに認識する。宮崎ひなた。克也のイマジナリーフレンド。想像上の友達。自分を救うために。自分の罪で自意識が崩壊するのを守るために。

すべては認識の世界。主観の世界。

ズレ。価値観のズレ。殺してしまうことを厭わない。普通ではない、アインズヴァッハの門をくぐった人たち。最初、山美鳥が表紙になっている顔に違和感を覚えていたが、読み終わってからは、あの笑顔が怖い。

「大丈夫っすよ、うーみん。私は、普通じゃないっすから」
「一緒に来るっすか?」
「そうっすか。仕方ないっすね。それが普通っす。それじゃね、あまやん」

人を殺すこと、価値観などの致命的なズレ。なにが善で何が悪なのか全く異なる価値を持つ狂気。狂気が普通に/日常に存在している。

この作者の文体は緊張感をそそってきます。克也の壊れ具合。そして美鳥の陽気と狂気のギャップ。人と人の間には価値観のズレはあるんだけど。そして認識にもズレはあるんだけど。美鳥も最終的には、アインズヴァッハの門をくぐった人たちの世界を求めている。だから、どこまでいっても独りだけど、誰かを求めているのかなー

大熊狸喜「私が倒してあげるんだから!」

久々のあとみっく文庫です。ええ、表紙買いですよ。だって表紙の女の子がポニーテールだから。ふりふりポニテがちょいちょい登場します。

お話というか設定は、戦隊ヒーローもの+学園ものという感じ。ヒーロー、ヒロインが普通にいる世界で、ヒーロー・ヒロイン養成学校に通うヒロインたち(表紙の女の子含む)が変身して戦います。主人公は、悪を吸い取る能力の持ち主で、主人公が吸い取った悪(=主人公自身)をヒロインが倒す、という構図。だから表題のようになるわけ。で、吸い取った悪を倒したらヒロインたちは服が破けたりしている状態なので、それを治す方法がセックス。何だこの設定。

まあ、ぶっちゃけてしまうと、設定が変わっただけでやっていることはいつもの大熊狸喜さんと大して変わらないんだけど、とにかく今回はふりふりポニーテールのメインヒロイン・草薙舞がかわいいなー。

まずふりふりポニテを堪能できるところは148頁。シーンでいうと、舞がフェラするところです。最初は、仕方ないからという建前でセックスしてしまった舞だけど、今回は、本当に主人公・良介のことがすきだから。で、好きという気持ちをオープンにしてしまうわけです。任務とは関係の無いセックス。でふりふりポニテのシーンは、その前戯段階。

もうひとつは、四人で、のところ*1。「合宿」の名目で、他の戦闘ヒロインも含めて一緒にお泊り。セックスしながら、ポニテを揺らします。

ただねー、ポニテ好きとしては、ポニテふりふりを眺めるプレイはあっても、ポニテつんつんプレイはなかったのかー、と。さらに、やっぱりポニテふりふりを楽しむなら後ろからだよな(特に立ちバック)、と。

イラストはsaxasa(さあさ)さん。27頁の舞がちょっと拗ねた感じの表情がかわいいっすね。

いやー、無類のポニーテール好きとしてはだいぶ満足しましたね。ええ、ポニテ好きの変態からの感想でした。

*1:236頁

長岡マキ子「中の下! ランク.6 上の下から旅立つオレ」

中の下!  ランク5.上の下から旅立つオレ (富士見ファンタジア文庫)

中の下! ランク5.上の下から旅立つオレ (富士見ファンタジア文庫)

このシリーズもこれて最終巻!大団円のラストでしたね―。なーんかいい男になっているじゃないですか、成道くん。過去の自分がなぜ駄目だったのかを決算。

オレは、ナルシストだから友達がいなかったんじゃない。友達がいないから、自分のことが一番大事な子供時代のまま、ナルシストでいられたんだ。

247頁より。ぬあああーーー、自意識過剰な状態だった昔の自分が痛い。とにかく痛い。長岡さんは痛い男の子の過去をやさしく抉ってくれる。

なーんかなー、たしかに最初の頃のお話(1)(2)あたりとはだいぶ変わったよなー。成長といえば、一言でおわるんだけど。なんか、それたけで終わらせたくない。

全員からモテて当たり前、なぜオレがモテないんだ、と勘違いしていた頃。つまり、他人がどう思っているのかを自分の尺度でしか理解できなかった頃。でも友達ができて、他の尺度も受け入れることができて。うーん、成道くんのことを語っているのか、自分のことを語っているのか、区別できなくなってきたよ、これどうしよう。

登場人物たちも、なんだか成道といい関係を築いていて。黒川とは本音をぶつけ合う友情を。結局、成道が選ばなかった玲子さま、絽美とも。

やっぱり自分のことを好きな女の子に対して、友達でいようというなんて、相手にとっては残酷だよね。でも、言わないと関係がギクシャクしたまま。勇気があって正直に言った者だけが、より強い友情を得られる。ちゃんと告げた成道は凄いよ。玲子様には、尊敬しつつも近づきたい、と。絽美には、気が利かない自分ではずっと傷つけてしまうと自覚して。

雪菜とのシーンは、長岡さんも少女漫画とか読んでいたのかー、と思うくらいラブでコメっています。例えば、193頁。

好きだ。
オレが言いたいのは、要するにその一言だけなんだ。

・・・いやね、正直いうと、長岡さんって、サバサバしていそうで、甘ったるいラブコメなんかさっさと絶滅しろよ、といいそうなイメージだったんです(あくまで個人の感想です)。今回はラブコメ成分多めですなー。

ちなみに、自分が決断するとしたら、玲子サマですね。石田の選択には同意。今回、石田はあんまり絡まなかったけど、名脇役なんじゃないですか。成道とは話もあうし、バカもできる。

いやー、思わぬところで手にとったところから始まった、中の下シリーズですが、終わってくれて本当によかった。長さもちょうどいいし。これからも成道たちはずっと友達の関係でいられるんだろうなー。変態ラブコメだったのが、最後はさわやかラブコメ。良い読後感でした。長岡マキ子さん、ありがとうございましたっ

野村美月「"葵"ヒカルが地球にいた頃」

エロい本が続きましたが普通の本の感想も書きます。今回は、野村美月さんの最新作。文学少女を終わらせ、次のシリーズに取り組んだものです。

うん、幽霊として、心残りがあるヒカルくん(注:モテモテリア充)と、ちょっと゜ヤンキー風味な赤城くんの物語。まだ第一巻だから様子見なところがあるけど・・・・これ、是光も意外とおんなったらしの素質あるよね。自分の意見をストレートに言ってしまうあたり。

読み応えしては、゜わりと爽やか青春モノかなー

葵上や朝ちゃんはどうなるんだろう・・・?と疑問に思うことばかりですが、これはとりあえず゛次巻ということで。

夜士郎「Hな声優じゃダメですか? 私の声を調教して!」

さーて、今回は、二次鶏もうひとつ。こっちは声優ものです。そういえば、二年ほど前に読んだことありましたね、この人の本二次ドリもだいぶかわったよなー。二次ドリもピンヒロインものが多くなってきたし、せいぜい二人、三人程度。以前のような多ハーレム化志向の作品のほうが逆に珍しいくらい。

さてさて。今回ヒロインは二人。表紙の左側、おっぱいが大きいほうが、南咲ちゃん。声オタの主人公と突然出会い、えっちい声の練習に突き合わせ付き合わせます。右が咲ちゃんのライバル・仁科リオ様。貧乳・小柄ですが、とにかくSで、相手を罵倒するのが得意という、一部の方々にはご褒美的な存在。

今作の見所は、淫語かなー。基本的に、ふたりともエロゲ作成の練習のため、という名目で主人公とえっちいことをするんですよね。ゲームにあてる声の練習なのか、本気で感じているのかわからなくなるシーンが今作には多く見られ、建前(=ゲームの練習)と本音(=性欲に忠実)の入れ替わりと、建前の破綻が、、読んでいて興奮するところですね。

最後は、声が出なくなった咲ちゃんのために部屋に侵入。そして、「乙女にはヒミツがいっぱいなのよ?」といいつつ、なぜかリオちゃんも手助け。ライバルだけど、手助けするところで、不思議と爽やか読後感だったなー。

神楽陽子「ぼくの妹は怪盗に変装しているつもりです」


今月もう一人の妹は、宇佐見美宇(うさみ・みう)。こっちは、ホンモノの妹です。ただし、主人公とは今まで接点がなかった、という設定。美咲ちゃんと違って、おっぱい大きめ、ツインテール。んでまあ、美宇は、自分が受け入れてくれないということで、怪盗えっくすキュートに変身して、実の兄・主人公に迫ります。

えっくすキュート時の迫り方が、とにかく積極的でエロかった。テンションが高いんですよ。とにかく元気な感じで、完全に女の子リード。だが、主人公もだんだん感化されているなー。最後の方(ブルマのシーンとアナルセックスのシーン)は、割りと主人公もえっくすキュートを軽く苛めて楽しんでいるし。

一回終わる→また興奮して二回目突撃という流れが多く、エロさがまだまだ続くよっ!という感じで満足。ただ、最後がアナル多めになったところがちょっと。アナルは生殖行為とは直接の関係がないからなー。実妹だからセックスよりもアナルセックスの方が多いという展開があんまり好きになれなかった。

うーん、若干、最後の四章の後味が悪かったのは自分の好みではあるが、第1章から3章までは十分堪能できました、というあたりかな。『ツンツン』とは違って、恋愛過程の描写がほぼなく、最初から好感度MAXなのもどう理解するか次第。まー、私は、とにかくエロいのでOKと受け入れられましたよー