新規開拓してみた〜ぷちぱら文庫第一弾 天姫あめ「初恋相手が弟だけど、お姉ちゃんはヘンじゃありません!」

いつもいつも巡回している方々がぷちぱら文庫に手を出している様子なので(毒見ともいう)、私も興味が湧いてきたので、二冊ほど入手。

初恋相手が弟だけど、お姉ちゃんはヘンじゃありません! (ぷちぱら文庫 10)

初恋相手が弟だけど、お姉ちゃんはヘンじゃありません! (ぷちぱら文庫 10)

最初に読んだのがこれ。うう・・・ん、文章力、なんとかしような。読みにくい。まず、読んでいてパッと出てきたのはこの感想。やっべ・・・・地雷かも・・・・と最初は思いましたが、徐々に慣れてきました。読みにくいのは最後まで変わらず、だったけど。

これ、お話の中身はタイトルそのまんま。こういうときって、最近はやりのちょっと眺めのタイトルっていいよね*1。理事長になったお姉ちゃんが、学園で働く弟をかわいがってあげます。

で、お姉ちゃん特権行使。

変なことじゃないわよ!姉が弟で遊ぶのは当然の嗜みよ!

体位を決めるときもお姉ちゃん特権行使。

だって英路は弟で、私はお姉ちゃん・・・どっちが上かなんて決まっているじゃないのっ

ぎゅって抱きしめられて、かつ放任されるようで見守られている感じがたまらんっすねえ。これこそおねえちゃんの魅力。個人的には膝枕で甘える165頁のイラストとちょっと困った感じながらも楽しむ257頁を推したいる

紅玉いづき「雪蟷螂」

雪蟷螂 (電撃文庫)

雪蟷螂 (電撃文庫)

人喰い三部作の第三弾。2009年とちょいと昔のものですが、べにたまさんの作品はゆっくりと追いかけています。人喰シリーズ(?)第一弾と第二弾の感想については↓参照です。

愛することって何?と考えて、考えて、考え抜いた末に到達した答えの一つ。

愛することは、人のすべてを受け入れること。すなわち、人を喰って。最後まで食べきること。これが、厳しい雪山に住まうフェルビエの女たち。狂うように愛する彼女たちの物語。

読んでいるとわかるけど、ただの異族間の部族長同志の恋なんて生やさしいものではない。フェルビエのアルテシアも、ミルデのオウガも。

アルテシアは、魔女のところに行き、愛を知る。自分にとって足りない物が、相手を愛すること。ただの戦争行為の延長として、房術として、嫁ぐことを理解していたのではなく、愛すること。フェルビエの女として、嫁ぐ先のオウガが、自分の恋する相手(すなわち、食らう相手)としてふさわしいか悩み続ける。だした答えは、蛮族のフェルビエの女として剣で決める。

他方、オウガも愛することに忠実。母親を裏切り、フェルビエの女・ロージアに対して愛情を持っていた父・ガルヤに対する怒り。母のために怒るもの。ロージアの腕を肌身離さず持っていたガルヤは、戦勝の証として持っていたのではない。愛情の証としての、片腕。それを受け入れるロージアの強さも、喰らいたいほど憎むことが愛することだと自覚できたロージアの勇気も、やはり、フェルビエの女であった、と。

ガルヤの本性を知り、愛に忠実であることを理解したルイ。結局のところ、女としての幸せを考えたら、この組み合わせが最適かもなー、と。

この小説、ちょっと地味だけど「愛すること」に対する回答の一つだと思う。ロージアも、死期を悟り、愛する人と死にたいことを願う。家に帰るまでが遠足ならば、人が死ぬまでが愛。喰らうこと、殺すこともあれば、生かすことも。まさに生殺与奪をお互いに行うもの、というのも愛するがゆえに、と。

間宮夏生「恋愛サイケデリック」

以前読んだ作品と同じ舞台で繰り広げるもの。つながりはあんまりないです。前作に出てくる人が名前だけ、ちらっと。という程度。

変愛サイケデリック (電撃文庫 ま)

変愛サイケデリック (電撃文庫 ま)

「月光」では、人を殺すこと。今回は、人を生かすことがテーマ。

他人を振り回すのは大好きなんだが―他人に振り回されるのは大嫌いなんだよ

こう言い放つ、彩家亭理子(=デリコ)の行動はぶれない。一貫している。「愛しいね、実に愛しい」。とつぶやき、興味をいだいた対象の謎、行動を明らかにする。んで、今回は、死にたがりの宇宙人こと、神宇地悠仁。なぜ自殺を試みるのか、というもの。

ストーリーがストーリーだけに今回のラストは、二時間ドラマの最後みたいな独白とやりとりだった。変なデリコと振り回される幼なじみ・円馬佐奈や、江入伊庵が背後に持つ恋愛感情(同性愛)のところは読んでいて「ええええええーーーー」と。ここで設定出す?と仰天。

江入くんは小物臭が漂っていたし、佐奈の場合は、過去がわからんし・・・・。うーん、デリコの変な行動は眺めていて楽しかった。キャラクターとして良い。しかし、作者なりの味付けのところで工夫が欲しかったなー。評価はそこそこ、星三つというあたりで。

最近の水無瀬さんご先生・メモ

どーも、こんにちわー。ネットサーフィンしていて得た情報をメモがわりに貼りつけておきます。

http://k-tai.impress.co.jp/docs/readers/crash/20110630_456732.html
あら斬新できれいな壁紙・・・かとおもったら見たことのある名前。

http://min35.blog109.fc2.com/blog-date-20110705.html
さて、こっちは水無瀬さんごさん自身が、デビュー一周年を迎えてのエントリ。作家になった辛さと、作家としてやっていく意気込みが綴られています。印象に残ったのは、糸井重里さんの言葉を引用している箇所。

でも、できることなら読者さんにサービスしたい。おもしろいと思ってもらいたい。その心だけが、小説家というパンドラの箱を開けたときの、最後に残った一つの希望なのかもしれません。

表現をして生きていくということは、 きみを大好きなひとが横を走ってくれている ということであると同時に きみを大嫌いだという人も、 いっしょについてくることなんだ。 そっちを見ちゃだめだよ。ぜったいに
糸井重里 http://kasoken.tumblr.com/post/115239021

面白かったら面白かったと言うし、つまんなかったらつまんなかったと言う。これが読者である私の行動原理。こう書くと傲慢に感じるかもしれないけど、結局は俺様の好みにあう作品=俺様のジャスティス。「客観的なレビュー」なんてものをやろうとどんだけ努力しようとも、読者である以上は、どうしてもこれは譲れない。

それでも、こんなことをするために小説家の道に入ったのか? こんな原稿を書いて、許されるのか? 許されるとして、誰に許してもらうんだ? 誰かが許さない。第一に自分が許さない。第二に誰かが許さない。白い目で見られても、誰かに許されずとも、ひたすら書かなければならない、そういう仕事です。ありがたいことに、気づいたら原稿ができあがっている。失敗作か駄作か、あるいはもしかして、おもしろかったか、それは読者さんが判断するものです。本を出すというのはそういうことです。

作品の評価は最終的には読者に委ねられる。ただ、読者の評価と作家の評価が違うことあるんだなー、と。どうやら、「好き好き大好きお兄ちゃん」は、さんごさん的には、いまいち納得できない出来だったようですが、私は面白いなーと思いましたよ?

私はブログで自分の感想を書き散らしていますが、別に私の評価が読者の評価全体だなんて、そんなことはなく。見えていたら敵か味方かわかるけど、見えていないと怖い。悪いほう、悪いほうに想像してしまう。

でもね。世の中には、図書館の隅っこで、あるいは本屋の隅っこで、ふと手にとった本が面白くて家に帰るまで読みきってしまって。でも面白いからもう一度読み返してしまうけど、ブログなどの媒体にに感想書いていない人もきっといる。ネットだけの評価ではなく、見えない側だけどついてきてくれる人の存在も想像した方が楽しいじゃない、ね?

大樹連司「オブザデッド マニアックス」

オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)

オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)

前作、放課後ロケッティアがおもいのほかヒットだったので、購入。前作と同様、意外とツボに来ますね。こういう出会いがあるから、本屋巡りは止められない。

学校にゾンビが来る妄想。テロリストが来る妄想。普段は冴えないオレ。でもここぞとばかりは大活躍で、周囲のスクールカースト上位の連中共も一目おく存在に。普段は冷静な委員長はパニックへ。でも冷静なオレは、委員長に変わってクラスをまとめる。さらにクラスのヒロインの窮地を救って、モテモテ街道一直線へ・・・・

こんな妄想が現実に起きます。ただし、委員長は、委員長であることをやめ、専制支配者になりますが。委員長が創りだしたコミュニティは、カースト制度と変わらない。学級内か、対ゾンビ用コミュニティか、の違い。

さらに、委員長は、この存在を待ちわびていた。主人公・安東丈二も待ちわびていたけど、委員長・城ケ根梨桜は、違う理由。丈二は、自分が活躍する場所を求めに。城ケ根梨桜は、一歩進んで、自分が輝いて死ぬ場所を求めて。自分が、輝いて死ぬ帝国。


帝国では、一人ひとりが能力に応じた役割を与えられる。仕事が与えられる。満足感がえられる。


教室では、したくもない馴れ合いをしなくてはならない。クラス内階級がある。真面目だとバカにされる。


でも、安東が選んだ世界は、教室。帝国で満足が得られるとしても、スクールではない、帝国内カーストの創設。見下される第三身分。さらに見下される処刑者たち。

本当に教室が憎いなら、システムそのものを壊さなければいけないはずだ。なのに梨桜さんは、ただ上と下を入れ替えて遊んでいるだけだ

254頁より。

やっぱり、主人公を救うのは、メインヒロインとのキスなわけで。安東くんに救われたことに気づいた丹咲いずなは、教室に戻っても昔のような扱いをしない、と宣言+キス。

あーーあーーー、これ面白いっす。スクールカースト下位の連中がおもいのほか活躍する。そしてヒロインは惚れるってだけではなく。下位は下位として自覚している。でも、階級を否定して、自分が帝国の上位にたとうとするわけではなく。そこんところは安東は一貫しているんだよね。上の連中が下に対して見下す表情に対する嫌悪/気持ち悪さ。

ところで、私、ジュヴナイルポルノなどそこそこ読んでいますが、この作者のえっちいシーンの描写でもかなりのものだと思います。

うん。これ、文句なく満足できた一冊でした。

葵せきな「生徒会の木陰」

生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5

生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5

外伝集。一年C組は忘れがちだったので、ちょこちょこと『水際』読み直していました。

そんなことよりも。

おおーーー!!外伝なのにまさかの続編とは。宇宙巡⇒杉崎が成立?
巡の場合、生徒会ヒロインズとは違って最初から杉崎のことが好きなのに振り向いてくれない、という設定だったからなー。この作品にしては珍しい、失恋ポジション担当。だからこそ、生徒会ヒロインズとは違った、魅力。ああーいい娘だからなんとか恋が実ってほしいなー、と思っていたけど、なんとかなりそう・・・・かな?杉崎にとっては教室はもうひとつの居場所なんだし、そこ大事にしてほしいなー

羽沢向一「独占 おっぱい学園」


まあ、タイトル見れば中身がすぐわかのというシロモノ。主人公が胸を揉めばミルクが出る体質になる。なにこの特殊設定。ミルクを噴射、つまり射乳させるために胸をもみしだくシーンはたっぷり丁寧に描かれていたし、エロかったんだけど、その分実際のセックスシーンがあっさり。そんなに。分量もないし。うーん、射乳としうアイディアはよかったが、それが一つのメリットを消してしまったということでいまいちだった